Infoseek 楽天

【阪神】〝大混セ〟から抜け出す根拠を関係者が解説「2008年の苦労に比べれば…」

東スポWEB 2024年8月6日 5時18分

史上まれにみる「大混セ」から抜け出すのは、やはり猛虎なのか。セ・リーグは5日現在、首位の広島から3位・阪神までが1・5ゲーム差にひしめく混戦模様。そうした中、球界有識者の間では〝団子レース〟の状況だからこそ「タイガース絶対有利」を唱える声が徐々に強まり始めている。その根拠とは――。

群雄割拠の戦いの中では、やはり「余力」と「経験値」が大きくモノをいうことになりそうだ。長きにわたって日本プロ野球に携わる古株の球界関係者も「現在、阪神が好調だから言うわけではないんです」と前置きし、次のように解説しながら太鼓判を押す。

「右肩上がりのチーム状態とはいえ、開幕投手の青柳、ローテの中心だった伊藤将に加えて新戦力候補だった門別も二軍調整中。育成から支配下登録された高橋遥人も戦力とすれば、投手4枚落ちの状況で今の位置にいるのはなかなかのものですよ。余力があるのは阪神です」

リーグ2位の防御率2・26は実力通り。とはいえ、カツカツの台所事情ではない。真夏のロード真っただ中で6日からヤクルト(神宮)、広島(京セラ)、巨人(東京ドーム)との9連戦が始まるが、岡田彰布監督(66)はしっかり投手起用を逆算している。

11日の広島戦では高橋が先発起用される見込み。2度の左ヒジ手術、左肩と左手首の手術を乗り越えた左腕がこの時期に戦列復帰する。これは戦力アップ以上に、選手たちを鼓舞する「プラスアルファ」が計算されていることは間違いない。

前半戦はどん底の状態だった打線もV字回復の兆しを見せつつある。特に3番・森下は10試合連続打点、4番・佐藤輝は13試合連続安打と好調を維持。それでも指揮官は一喜一憂せず「そんな(投打が)今からかみ合わんでええんよ」と最終盤の勝負へ、ゴール前でハナ差の1位抜けをもくろんでいる。

別の関係者は、岡田監督が第1次政権時代の2008年に「地獄を経験した」ことをアドバンテージとして挙げている。

「8月に北京五輪で矢野燿大、新井貴浩、藤川球児を招集され、復帰後は野手全員が絶不調という状況。巨人に大逆転優勝を許した。当時の苦労に比べれば今年の戦いなんてまだまだと思ってるんじゃないですか。監督経験値からしても広島・新井監督、巨人・阿部監督とは比べものになりませんからね」とし、確固たる理由付けとともに混戦での阪神有利を説いた。

球宴後は8勝1敗。3カード連続勝ち越しと岡田阪神は今、波に乗っている。下位に沈むヤクルトを叩いて広島、巨人との〝プチ天王山〟に臨む。この9連戦で白星をさらに積み重ねられれば、混戦から抜け出し〝アレンパロード〟のゴールが視界に入ってくるはずだ。

この記事の関連ニュース