パリ五輪レスリング男子グレコローマン60キロ級が5日に行われ、東京五輪銀メダルの文田健一郎(ミキハウス)が準決勝で2022、23年の世界選手権を制したジョラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)に4―3で勝利し、6日の決勝進出を決めた。
1点をリードされた状況の第2ピリオドで「狙わず体が動いた」と得意の反り投げを繰り出し、4点を挙げて逆転。その後、1点差とされるも逃げ切った。
初の金メダルに王手をかけた文田は「パリの地が特別なところで、17年に初めて世界選手権を優勝したところで思い出深い。この舞台でもう1回決勝いけたというのは、レスリングの神様から『絶対(金メダルを)取れよ』と言われている気がする」と決勝への意気込みを語った。
試合後は、負けてうなだれるシャルシェンベコフに声をかけた。文田は「彼に対するリスペクトがあって、去年の世界選手権決勝で負けたから、自分のレスリングに磨きがかかっていると思っていて、一方的だけど、その感謝を伝えた。『明日は2人で勝って、これが真の決勝だったと言えるようにしよう』というふうにも伝えた」と説明した。
気持ちもリラックスしている。「五輪2回目ということもあって、楽しみたい気持ちもすごくある。3年前は初めてで、そういう状況じゃなかった。すごくいい調整と五輪を楽しむ、実感するというバランスがすごくいい」と手応えを口にした。