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「もしも徳川家康が総理大臣になったら」民衆は情報に踊らされやすい…リテラシーの大切さを感じる一作

東スポWEB 2024年8月6日 14時8分

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。今年の夏を熱く盛り上げているパリオリンピックで誹謗中傷が問題となっています。柔道では7月28日、女子52キロ級で敗退した阿部詩選手が試合後に号泣。スムーズに退場しなかったことに対しSNSでは批判の声が書き込まれました。物事の一場面や側面のみを見て、国を背負って挑戦する代表選手への誹謗中傷は断じて許されないと僕は思います。高いリテラシーを持って応援したいですね。

さて、今週はリテラシーの大切さを感じる一作、現在好評公開中の映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」を紹介します。

今作は、ビジネス小説として異例の大ヒットとなった眞邊明人さんによる同名小説が原作のコメディー映画です。舞台は2020年の日本。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が死亡した緊急事態に直面した政府がとったのは、AI・ホログラムで歴史上の偉人を復活させ最強の内閣をつくるというトンデモ計画だった。そうして組閣された徳川家康や織田信長、坂本龍馬や聖徳太子らが名を連ねる偉人内閣と、裏で渦巻く陰謀を描きます。

映画は笑いながら見られるサクッとしたコメディーなんですけど、よく見ていくと今の日本の良くない政治体制というところに鋭くメスを入れているんですよね。偉人たちのように、国のことを本当に思ってやっている人がいないと、つぶれちゃうなとひしひしと感じました。歴史上で習ったくらいの浅はかな知識があれば楽しめるので、政治に興味がないという若い人ほど見てほしいですね。

僕はこの映画には強烈な皮肉が込められていると感じました。偉人内閣が機能し出すと民衆は熱狂して騒ぐんだけど、問題が起きてマスコミが叩き始めると、それにつられてまた騒ぐ。これを繰り返すんですよね。現実の私たちもまさにこうだと、国民は情報に踊らされやすいんだという皮肉を突きつけられていると思いましたね。

阿部選手の件もそうです。記事や中継などの断片的な情報だけを見て、勝手な正義感から書き込み等の行動を起こしてしまう。今は個人の発信力がとても大きい時代です。だからこそ道徳心に加えて、一呼吸置いて情報を精査、整理をしてから発言をすることが必要ではないでしょうか。私も含めて、リテラシーの高い人間になるべく、おのおのが努力をしていくべきでしょう。いちいち一喜一憂しない、踊らされない一個人でありたいですね。

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