パリ五輪で競泳日本代表の不振を受けて、平井伯昌コーチ(61=東洋大)が大改革を提唱した。
今回のパリ五輪では、競泳陣のメダルは男子400メートル個人メドレーの松下知之(19=東洋大)の銀メダル1つに終わった。6日、羽田空港で取材に応じた平井コーチは不本意な結果に終わった今大会を振り返り「大改革しないといけない」と組織の課題を指摘した。
具体的に変化が必要と挙げたのは〝サポート体制〟だ。選手とコーチの風通しがよくないという意味で「20年前のように戻ってきてしまっているなと感じる」と苦言を呈した。そして具体的な解決案に関しては「(これまでのサポート体制を)つくってきた人を再登用していただいて、もう一度以前のような体制に戻す。そして若い補佐などにいろいろ継承していくのがいいのでは」と熱弁した。
問題はそれだけではない。平井コーチは「リーダーシップが欠如している。ヘッドコーチのないチームというのは聞いたことがない」と指摘。競泳界全体の指導体制にも疑問を呈した。
「組織力はもう一度改めないと、今のままでは無理だという感じもします」と厳しい現状を語る平井コーチ。名将の提言が、かつて黄金期を築いた日本競泳界の復活への道しるべとなるか。