スターまであと1勝だ。男子グレコローマン77キロ級準決勝で、日下尚(23=三恵海運)がマルハス・アモヤン(アルメニア)を下して決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。
世界ランキング1位で初の五輪に挑んだ日下は序盤から優位に試合を進め、1ポイントをゲット。その後に場外に出され1―1と追いつかれるが、後半に2ポイントを追加して勝利。「本当は目標は優勝なので、うれしくないと言いたいところですが、正直めちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せた。試合後には、係員の制止を振り切り、柵を乗り越え観客席へ。初出場とは思えぬ堂々とした振る舞いを見せた。
常々「スターになりたい」と口にする23歳。海外ではレスリングは人気があるが、日本では観客席が満員になることはなく「それを変えられる男になりたい」と意欲を燃やす。金メダルを獲得した暁には「金を溶かして差し歯を金にする」と妙な野望も抱いている。決勝は爆発するのみだ。