全日本プロレスの〝ひねくれ者〟青柳優馬(28)が、懺悔(ざんげ)を込めて3冠ヘビー級王座奪回を誓った。
17日の東京・アリーナ立川立飛大会では3冠ヘビー級王者の安齊勇馬(25)に挑戦する。決戦に向け「僕がベルトを取られて安齊が取り戻しているので、僕も清算する気持ちでいかないといけないですね。安齊に助けられた過去があるので。僕は全日本ファンと安齊に顔向けできるようになりたい。本来なら、こんなツラをさらして歩いちゃいけない人間だと思っているんです」と神妙な面持ちで口にした。
3冠戦は、昨年11月に中嶋勝彦に敗れ王座陥落して以来の舞台。しかも団体最高峰王座を手にした中嶋はその後、「闘魂スタイル」を掲げ団体をかき回した。故アントニオ猪木さんの肖像権等を管理する猪木元気工場(IGF)から警告書が届いたことで「××スタイル」に改めたものの、同時に福田剛紀社長の迷走も重なり、年明けの団体は大混乱に陥った。
このピンチを救ったのが、流出したベルトを3月に取り戻した安齊だ。優馬は「頼もしいなと思うばかりです。僕が散らかしてしまった全日本のリングを彼がうまく片付けてくれたので」と感謝の気持ちでいっぱいだ。
一方で安齊が王座を奪還した試合は、一方的に攻められながらの大逆転勝利。あっけない幕切れに賛否両論が起こり、安齊も批判にさらされた。優馬は「安齊が悩むきっかけをつくってしまったのは僕だと思う。結局、僕が黒幕だったんだなという反省がある」。そのため安齊との3冠戦には自戒の念を込めて臨むという。
「恥をさらしてしまった分、先輩として背中を見せないといけないですね。僕のテーマは『未来が明るい優馬』対『お先真っ暗の優馬』。今のままではお先真っ暗なので、僕も明るい未来を見せられるように頑張ります」。陰湿男は団体トップに返り咲けるか。