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【パリ五輪】「美食の国」で夢を追いかける若き料理人 料理で感じたアスリートとの共通点

東スポWEB 2024年8月8日 7時12分

【フランス・パリ発=支局便り】7月26日に開幕したパリ五輪は早くも後半戦を迎えた中で、アスリート以外の日本人も花の都で夢を追いかけている。

「美食の国」と称されるフランスには、世界各国から料理人の卵が修業に訪れる。パリ市内にある「La Cafe des Musees」で働く武田賢騎(ひろき)さん(23)は高校卒業後、愛知県内のフランス料理店を経て、今年に渡仏。記者の小、中学校の後輩にあたることから取材の合間を縫ってレストランを訪れた。

お店に入ると、早速おすすめの料理を振る舞ってくれた。前菜の「カモとナッツのサラダ」とメインディッシュの「牛ヒレ肉のロースト」はどちらも絶品。前菜はカモと野菜、ナッツとの相性が抜群で、メインディッシュも牛肉の焼き加減が絶妙だった。日々の業務でなかなかフランス料理にありつけず、ようやくパリに来た実感が湧いた。

パリ五輪のさまざまな競技を取材しているが、全てのアスリートに共通するのは、努力の成果を全力で出し切ろうとする姿だ。勝敗に関係なく、涙があふれそうになったのは1回や2回どころではない。軽い気持ちで訪れたレストランでも、不意に同じ感情がやってきた。

食事後は昔話に花を咲かせながらも、料理の話になると武田さんの表情が自然と引き締まった。「いつか独立して日本でお店を出したいですね」。幼い頃のイメージとは180度異なる力強い言葉だった。

きっと武田さんなら料理を通じて人々を笑顔にしてくれるはず。私も記事を通じて人々の心を動かすきっかけづくりができたら。記者を志した原点を思い出させてくれたお礼は、日本でお店を開いた際に言いに行こう。

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