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小林製薬の山根聡社長 紅麹事業からの撤退を発表「決断をしなければならないと思いました」

東スポWEB 2024年8月8日 20時7分

小林製薬は8日、大阪市内で「2024年12月期 第2四半期決算 報道関係者向け説明会」を行い、紅麴事業からの撤退を発表した。

同社の紅麴を含むサプリメントを巡っては、健康被害の事例が相次いでいる。すでに関連製品については、使用中止を呼びかけ、自主回収や販売の一時停止等の対応を進めてきたが、この日に行われた取締役会で紅麴事業からの撤退を正式に決議した。

説明会には、新しく社長に就いた山根聡氏や(前社長の)小林章浩取締役保障担当らが出席。冒頭、山根社長は「あってはならないことを起こしてしまい、痛恨の極みだ」などと陳謝し、約10秒間、深く頭を下げた。

撤退の理由を聞かれた山根社長は「紅麹自体のすばらしさというのはわれわれも評価できるところですし、研究も重点的にやってきました」としながらも、「今の状況を見た時に事業を継続することが許されるのだろうか。やりぬく力があるのだろうかと(自問自答した)。冷静に考えた時に速やかに(事業撤退の)決断をしなければならないと思いました」と説明した。

日本のサプリメント製品の信頼を損なったことについて「業界の方にもご迷惑をおかけした」と陳謝。

回収などの判断が遅れたことを指摘された小林取締役は「安全性を無視して売り上げや事業を優先したということはございません。ただ、品質も求めながら利益も追い求めていたというところがあった。反省しなければいけない」とし、「他社の紅麹製品にリスクがあるということはございません」と強調した。

今回、小林製薬は会見がなかなか行われず、説明責任が果たされていないと指摘する声もある。

それについて小林取締役は「複雑な事案が多く、正確にお伝えするべきとの判断から会見をしていなかった」と釈明。山根社長は「会見をすべきだったと反省しております」と言い、広報対応を含めて改善するとした。

最後に山根社長は「私自身は、この職に固執するつもりはございません。先頭に立って、責任をしっかり果たす。今はそれだけを考えている」と語った。

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