第１０６回全国高校野球選手権大会の第２日（８日）第１試合に登場した大阪桐蔭は興南（沖縄）との「春夏連覇校対決」を５―０と投打で圧倒し、２回戦進出を決めた。
打線は３回に一死一、二塁から１番・吉田（３年）の２点適時三塁打で先制点を奪って勢いに乗ると、３、４回で計５点をもぎ取って前半で試合を決めた。先発した中野（２年）も４安打で９回を投げ切り、今大会初完封を飾った。
５度目の夏制覇に燃える大阪桐蔭ナインが一致団結した戦いぶりを見せる裏には〝魔法の声掛け〟があった。実は西谷浩一監督には口癖があり『ドゥイ』と連呼。センバツから「円陣団長」としてチームを盛り上げる岡田直也記録員（３年）は「西谷監督がいつも『ドゥイ、ドゥイ』って言ってるんですよ。それを自分なりに考えて『Ｗｅ Ｃａｎ Ｄｏ Ｉｔ！（私たちにはできる！）』の『Ｄｏ Ｉｔ』を『ドゥイ』に変えて円陣に取り入れています。僕が『Ｗｅ Ｃａｎ』って言ったら、メンバー全員が『ドゥイ（Ｄｏ ｉｔ）！』と叫ぶのが一連の流れです（笑い）」と明かす。
ある選手は「その掛け声で試合前に勢いづくので、チームの雰囲気が和らいで、リラックスした状態で試合に臨めます」と勝利の女神ならぬ〝勝利のドゥイ円陣〟の効果を証言した。
昨夏は大阪大会決勝で履正社に０―３で敗れ、３年連続の甲子園出場を逃した。西谷監督の提言で今夏テーマを「逆襲」とし、選手は日々練習に励んできた。指揮官の口癖を利した〝魔法の声掛け〟で６年ぶりに深紅の優勝旗をつかみ取る。