セーヌ川を泳ぐパリ五輪トライアスロン男女に出場した選手に体調不良者が続出していることに英紙「メトロ」は「犠牲者になった」と報じた。
セーヌ川での公式練習が何度も中止になるなど水質悪化が懸念されている中、7月31日に行われたトライアスロン男子でタイラー・ミスラウチュク(カナダ)はゴール直後に嘔吐し、そのシーンがSNSで拡散。計10回も戻したという。またレース後にアドリアン・ブリフォード(スイス)も胃の感染症を患い、混合リレーを辞退した。
さらに女子のクレール・ミシェル(ベルギー)は激しい体調不良により入院。混合レース出場を辞退し帰国した。男子のバスコ・ビラカ(ポルトガル)も8日になって「ひどい胃腸炎」を患っていたとSNSで報告。男子で銀メダルを獲得したヘーデン・ワイルド(ニュージーランド)や女子のティルダ・モーンソン(スウェーデン)もレース後に嘔吐するなど体調が悪化した。
いずれもセーヌ川が原因かは不明ながらも、各国メディアで名前が報じられているだけで6人の選手が体調不良に陥った。英紙「メトロ」はビカラの〝告白〟を受けて、「またもやセーヌ川で泳いだ選手が体調を崩した」とし「大会が開催できるかという深刻な疑問が浮上した」という中で実施されたトライアスロンで、多数のアスリートが「犠牲者になった」と報じている。
パリ市のピエール・ラバダン副市長はセーヌ川の水質問題と選手たちの体調不良について「今のところ関連性があるとは言えない」とし、泳いでいないアスリートでも選手村で体調不良になった選手がいることを強調していた。