エースは全てを出し尽くした――。パリ五輪陸上男子４００メートルリレー（９日＝日本時間１０日、フランス競技場）決勝が行われ、日本は３７秒７８で５位。２大会ぶりのメダルにはあと一歩届かなかった。
激走でチームに流れを引き寄せた。２走で起用されたサニブラウンは、テイクオーバーゾーンを巧みにつかったバトンパスで同走１位の８秒８８をマークして首位に浮上。３走の桐生祥秀（日本生命）もトップの座を守った。しかし、４走の上山紘輝（住友電工）がトップスプリンターたちの追い上げに遭い、５位に終わった。サニブラウンは「走る前にふくらはぎが釣りそうなくらいきていた。でも走るしかないので、そこはしっかり走って渡した」と振り返った。
８日の予選では１走を務めたが、この日は２走に配置された。「もう行くしかない。ここまで来たらやっぱり何か考えないと勝てない」と攻めの姿勢を自ら体現。それでも「バトン技術はうまい方だが、うまい方と言っているだけじゃダメ。もっともっと完璧にしていかなきゃいけないし、個人の走力ももっともっとアップして、他の国を寄せ付けないぐらい前でフィニッシュするのが自分らの目標」と反省も忘れなかった。
１００メートルでは自己ベストの９秒９６を記録するも、準決勝で敗退。４００メートルリレーでも表彰台に立つことはできなかった。「来年は東京で世界陸上もあるし、ロサンゼルス五輪でしっかりリベンジしたい。もっともっと強くなって、最後は笑って終わりたい」ときっぱり。
パリの地の悔しさを、未来への飛躍につなげることはできるか。