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【阪神】岡田監督「勝負はまだ先」と泰然自若 第1次政権時も…敵を泳がせた〝サイン見破られ事件〟

東スポWEB 2024年8月10日 5時9分

阪神は9日の広島戦(京セラドーム大阪)に3―6で完敗。重要なカード頭の一戦を守乱と投壊からなる悪循環で落とし、首位・カープとのゲーム差は3と広がった。シーズンは残り40試合。一つひとつの勝敗が持つ意味合いも日に日に大きくなっていくばかりだが、それでも百戦錬磨の老将・岡田彰布監督(66)は「最大の勝負どころはまだ先にある」とばかりに泰然自若とした姿勢を貫き通している――。

「いろいろ言うたらオマエ、まだ明日、明後日も試合あるから分かってしまうやんか」。自身が最も嫌う「自滅負け」を喫した虎将は試合後、怒りを押し殺した表情で自ら監督囲みを切り上げ、報道陣の前から姿を消した。これ以上、V争いのライバルである広島に手の内を明かす必要はない。

3チームが3ゲーム差内にひしめく大混セの中、猛虎はこの日から広島、そして巨人(12~14日、東京ドーム)の上位2チームとの直接対決6連戦に突入。だが、前夜8日のヤクルト戦(神宮)終了後、意気込みを問われた虎将は「まだアレや。最終やないからな。今回で1週間、6試合当たるから。最後のアレにどういう戦いになるかいうアレやろな」と極めて難解な〝どん語〟で「本当の勝負どころはこの先に待つ9月。今回の6連戦はそこへ向けた前哨戦にすぎない」(記者意訳)との考えを強調していた。

虎党も鯉党もG党も、近所の薬局へ胃薬を買いに行く季節となった。だが、当の岡田監督本人は「本当の勝負は9月から」と腹をくくって構えたまま。今はまだ相手を〝泳がせる〟時期にすぎない――。その考えを端的に示す昔話を、かつて虎番たちに聞かせたことがある。

時は第1次岡田政権時。「対戦相手にブロックサインを解読されたことがあったんや。あんなん数パターンしかないから、バレる時はバレるもんなんよ。コーチがすぐに俺のとこにきて『監督、サインが読まれてます。すぐに変更しましょう』って言うてきたんやけど『ええ、ええ。そのままにしとけ。今は気が付かないふりしとけばええんや。最後の最後の秋に、ここぞってところでやり返してやればええんや』って言うたったわ」

生き馬の目を抜くプロの世界。だましているのはどちらなのか、だまされているのはどちらなのかは、最後の最後の瞬間まで分からない。手の内にある切り札をギリギリまで隠しながら、賭場のテーブルでヒリヒリとしたゲームは進行し続ける。

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