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【レスリング】樋口黎 悲願金メダルの裏で…地獄の減量「残り1・5キロあったので、やべえと」

東スポWEB 2024年8月10日 6時29分

パリ五輪男子フリースタイル57キロ級で金メダルを獲得した樋口黎(28=ミキハウス)が、悲願達成に率直な思いを語った。

9日の決勝でスペンサーリチャード・リー(米国)との接戦を制して世界一に。樋口は「日本のレスリングの思いを背負って、このマットに立ったので、金メダルを取れて、日本のレスリングのフリースタイルが、世界一だということを証明できてホッとしている」と語った。

ラスト数十秒の戦いについては「絶対勝つ思いだった。ただ、相手がちょっとずつバテてきているのが伝わってきたので、あんまり飛び込みはなさそうで、カウンターを狙っていそうだった。不用意なカウンターだけは取られないようにした」と振り返った。

減量は、ちょっしたピンチもあったという。「計量の前日(7日)も午前練習終わって残り1・5キロあったので、やべえと思いながら、湯元先生とかには全然大丈夫ですというふうには言っていたけど、死ぬ気でサウナ入った。脂肪は落としてきてはいたので、試合自体は脱水してもしっかり高いパフォーマンスを出せた」

サウナの利用に関しては「試合の前日(7日)は2時間。2時間と言っても、10分入って10分出て動いてを繰り返して残り400(グラム)まで落として、(8日)朝もサウナ入った」。決勝前日は2キロの減量を迫られたが「2日目の方が1回、脱水している分、外をひたすら1時間走って500(グラム)まで落ちて、そのまま寝てクリアできたのでよかった」と振り返った。

樋口は2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した一方、東京五輪は21年4月のアジア予選の計量失格が響いて出場を逃していた。8年ぶりに返り咲いた舞台で立ち直った姿を見せたが「これでおごって成長が止まってしまうようであれば、僕はアスリートとしてそこまでだと思っていて、もっと人間力を磨いて成長していきたい」と自らに言い聞かせた。

日体大同級生の男子グレコローマン60キロ級の文田健一郎(ミキハウス)が先に金メダルを獲得した。「僕は絶対に彼の金メダルを触らないと決めていた。近づきもしなかった。僕は健一郎が一番のライバルだと思っていて、彼より素晴らしい内容で勝とうとしたけど、(リーは)簡単に勝たせてくれなかった。今回は(文田と)引き分けということで」と笑みを浮かべた。

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