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【レスリング】樋口黎を金メダルに導いた東京五輪前の〝痛恨〟 湯元コーチ「命を削るようなことを…」

東スポWEB 2024年8月10日 9時14分

レスリング男子フリー57キロ級決勝(9日=日本時間10日)で、2016年リオデジャネイロ五輪銀メダルの樋口黎(28=ミキハウス)が米国選手を4―2で下し、悲願の金メダルを獲得した。

樋口は「日本のレスリングの思いを背負ってこのマットに立ったので、金メダルを取れて、日本のレスリングのフリースタイルが、世界一だということを証明できてホッとしている」と語った。

パリ五輪に向かう姿は、以前と全く違っていたと指導する湯元健一コーチは話す。「若いころは寝坊したり、さぼったりがありました。でも今は自己管理面でアスリートの鑑。食事管理、生活面でも我々以上に細かく考えている。栄養学やコンディショニングにも詳しい。東京五輪前の敗北が相当こたえたんだと思う」

2021年4月の東京五輪アジア予選で、体重を落としきれず計量失格。減量が重く、「我々もむちゃさせてしまったところがある。命を削るようなことをやってしまったので」(同コーチ)。人生最大の挫折から復活を目指すにあたり、湯元コーチはあえて「彼に対して、こうるさくしないようにした」と接し方を変えた。信頼され、任されているという感覚を得たこともあり、高い自己管理能力を持てるようになった。今大会の減量も計量の前日に残り1・5キロ超だったが「死ぬ気でサウナに入った」と見事に成功した。

つらい経験を経て夢舞台で頂点に立った。「これでおごって成長が止まってしまうようであれば、僕はアスリートとしてそこまでだと思っていて、もっと人間力を磨いて成長していきたい」とキッパリ。どこまでも上を目指す。

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