レスリング五輪2大会銅メダルの浜口京子が、日本勢のメダルラッシュに大感激。それぞれの躍進のカギを分析した。
【浜口京子 気合でGO!】いや~、もう最高、うれしいですね。レスリングファミリーの一員として幸せです。
まずは樋口(黎)選手(男子フリー57キロ級金メダル)。決勝では、米国選手の攻撃で体勢が崩れた場面がありましたが、優れたバランス感覚で自分にとっていい体勢にすぐに戻っていました。絶対に返らない、倒れない。まるで鋭い針を背中から生やし、敵を後ろや横につかせないハリネズミのようでした。その姿を見ていたら「あ、これは勝つな」と安心して応援できました。
減量も大変だったと思います。私は増量でしたが、体重をコントロールするのって、本当に難しいんです。それなのに、スタミナも集中力もあった。さすがです。無双状態でしたね。
そして桜井(つぐみ)選手(女子57キロ級金メダル)。初めての五輪なのに、気負いすぎていない。心が大木のようにどっしりと構えていました。入場の際の表情を見ても、自然体でまるで練習マットに向かっているようでした。
武器のツーオンワン(自分の両手で相手の片腕をつかまえ制する技)がこの日も効いていました。相手選手は警戒していたはずですが、つかまりましたね。桜井選手にはタックルなど他にも武器があるため、相手は警戒ポイントが多すぎて、注意力散漫になっていたのかもしれません。
とにかく金メダルおめでとうございます。そして決勝を控える高谷(大地)選手、元木(咲良)選手。高谷選手の強さには驚きました。元木選手はどこか自分と重なるんです。試合でひたむきに頑張る姿を見ていて、泣けてきました。決勝でも応援しています。