第106回全国高校野球選手権大会の第4日(10日)第1試合は中京大中京(愛知)が宮崎商に4―3で逆転勝ちし、2回戦にコマを進めた。
1点を勝ち越された直後の7回裏だった。二死一、三塁の好機をつくると主将の杉浦正悦(3年)が「最後は気持ちで打った」という一打が三遊間を抜けて同点に追いついた。さらに続く仲(3年)が同じく左前へ適時打を放ち、勝ち越しに成功すると、そのまま逃げ切った。
正捕手としてもチームをまとめる杉浦は勝ち越しを許した直後でも落ち着いていた。「あと3イニングある。我慢して、大丈夫と周りを落ち着かせて全員で戦いました」と主将としてナインを鼓舞した。
実に9年ぶりの聖地での勝利となった中京大中京。甲子園の春夏通算勝利数は137と全国最多だ。高橋源一郎監督は「やっぱり甲子園で聞く校歌っていいですよね」としみじみ。「ここまで先輩たちが積み重ねてきたものを感じながら。甲子園で校歌をみんなに聞かせようよ、と試合前にも言った。キャプテンも『甲子園の校歌って違います』と言っていたので(選手たちも)かみ締めながら歌っていたと思います」と喜びを語った。