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【甲子園】エースが185球完投負け…鳴門渦潮・森監督は苦悩「2、3番手を育てられなかった」

東スポWEB 2024年8月11日 15時50分

第106回全国高校野球選手権大会の第5日(11日)第1試合で7年ぶり8度目出場の鳴門渦潮(徳島)が9年ぶり30度目出場の早実(西東京)に4―8で逆転負け。鳴門一との統合前の鳴門工時代の2008年以来、16年ぶり甲子園勝利とはならなかった。

エースで4番の岡田力樹投手(3年)が投打で奮闘も力尽きた。初回一死一、二塁の第1打席は右前適時打で先制点をもたらした。2―4の6回一死二塁では中前適時打で1点差に詰め寄り、2安打2打点と非凡な打棒を発揮した。

先発した岡田は今大会1試合最多となる185球の粘投を見せたが、13安打8失点(自責6)と打ち込まれた。最後までマウンドを譲らず完投したものの、無念の負け投手となった。それでも岡田は「185球を投げたのは初めて。県大会もほとんど一人で投げてきたので、甲子園でも最後まで投げ切るつもりだった。目標にしてきた初戦突破ができず、悔しい」と言いつつも「甲子園は、人が多くてめちゃくちゃ楽しかった。やりきれた」とすがすがしい表情を見せた。

自己最多185球の力投を見せた岡田について森恭仁監督は「よほどの点差が開かない限り、球数が増えようが、岡田しかいないので最後までいってほしかった。投打の中心なので。今まで岡田の力で勝ち上がってきたのでエースを信じようと思った。よくやってくれました」とねぎらった。

投手の肩などの負担を軽減するため、2020年センバツから1週間で500球以内とする球数制限が導入された。しかし、1試合での上限設定はなし。継投策の可能性について指揮官は「それを考えたいけど、そんなにレベルの高い選手がいっぱいいるわけではない。負けたら終わりのゲームではね。2、3番手を育てられなかったというのはあるが、なかなか2、3番手が140キロ超えの投手をそろえるのは、公立高校が主体の徳島県では難しい」と吐露。

その上で「僕らの課題でもあるが、2、3番手の投手を負けてはいけないという公式戦で出していけるチームは徳島県では少ない。そんなに子供がいない中で野球をやっていますし、また(他県にも)散らばりますし、人数が多い学校さんと比べるとしんどいです」と苦しい胸中を明かした。

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