パリ五輪の陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(JAL)は、快挙達成にも満足はしていない。
10日(日本時間11日)にフランス競技場で行われた世界一決定戦では、1投目にシーズンベストの65メートル80をマーク。日本女子勢がトラック&フィールド種目で頂点に立ったのは初めてとなった。表彰式で目に涙を浮かべた北口は「数日前まではここで勝負できると思えなかった。ちゃんと勝負して勝ち取れてよかった」と笑顔を見せた。
昨年の世界選手権で初優勝を果たし、五輪でも頂点の座に立った。目標を1つずつクリアしているが「65メートルを1本目で投げて、夢の中では70メートルを投げれたので、もっと投げれると思って、2投目以降もチャレンジしていた。五輪の金メダルを取ったら結構満足できると思っていたけど、65メートルではまだ満足できない」と悔しさを吐露。その上で「今シーズンの最初は本当にもう頑張れないかもと思う時もあった。また頑張る理由ができてすごくホッとした」とポジティブに振り返った。
来年には東京で世界選手権が開催される。会場の国立競技場は3年前の東京五輪で悔しさを味わった場所だ。「目指している試合で勝つのは簡単ではないのでうれしいけど、それでも満足できない理由があるのはとても幸せ。やっぱり70メートルを夢の中じゃなくて、現実で投げたい」。次は東京の地で新たな物語をつくり上げる。