パリ五輪陸上女子マラソン(11日、パリ市庁舎前~アンバリッド前=42・195キロ)が行われ、初出場の鈴木優花(第一生命グループ)が2時間24分02秒で6位入賞を果たした。
五輪史上最困難と言われる起伏の激しいコースに食らいついた。序盤は先頭集団に位置するも、15キロ過ぎでは14秒ほど遅れる。その後の上り坂でさらに離されたものの、30キロ過ぎの下り坂で先頭集団に追いつく。
33キロ過ぎで失速しても、意地の走りで入賞ラインを死守。レース後には「楽しい五輪だった。自分のいける範囲でレースを進められたところが(入賞できた)非常に大きな要因だったのかな」と振り返った。
平坦な道でアフリカ勢に及ばないからこそ、坂道でいかに躍動するかが1つのカギだった。今春のインタビューでは「アップダウンの激しいコースをつくって、距離を踏んだり、セット練習をタフに変えていくことを一番やっているところ」と語っていた中で、この日はその成果を十二分に発揮した。
故障で思うように練習を積めない時期もあったというが「上り坂でゆっくりのペースになった時に、じわじわと追いつけたら」と計算通りのパフォーマンスで日本勢の底力を世界に示した。
惜しくも表彰台に届かなかったとはいえ、五輪で自己ベストを更新できたことは大きな自信につながる。今後は「まだ(アドバイザーの)山下(佐知子)さんと相談しながらになる」としながらも「もしも出られるなら(来年の)世界陸上は東京の開催なので、みなさんにまた(走りを)お見せしたいも気持ちもある。また、その次の世界選手権だったり、ロサンゼルス五輪に向けてしっかり頑張っていきたい」と力を込めた。