ボートレース福岡のプレミアムGⅠ「第38回レディースチャンピオン」(優勝賞金1300万円)は12日、優勝戦が行われた。真夏の女王決定戦は、ポールポジションで登場したSG覇者の遠藤エミ(36=滋賀)が、インからコンマ11のスタート。他艇を寄せ付けず、Vゴールを駆け抜けた。通算42度目、GⅠ4度目、レディースチャンピオンは3度目のV。そして史上4人目となる大会連覇を飾った。
ひと足早く閉幕した五輪に負けない熱気が、博多の水面を包み込んだ。そんな状況の中で、現役最強の女子レーサーがまざまざと強さを見せつけた。伸び型を示唆していた4枠の藤原菜希がチルト0・5度で登場。それでも「特訓から自分が一番良さそうだったし、藤原選手は気にならなかったです」とコンマ11のスタートから「1Mは自分のターンができた」とまさに100点満点の完璧なターンをされては、他の選手はなす術なし。「皆さんの声援が力になった」と熱気あふれるスタンドの応戦を背に独走。表彰式では「連覇というより優勝できてうれしい。終わってホッとしています」と安堵の表情が印象的だった。
機率1位、好素性の18号機とタッグを組み、前検から好ムード。それにスペシャルグレードなハンドルも加わり、まさに鬼に金棒状態。「エンジンは完璧だったし、本当に信頼していました」とパートナーへの感謝を忘れなかった。
2022年3月の大村SGクラシック制覇後は「結果を残せず、気持ちが落ちかけていた時もあった」と本音を吐露。「今年に入ってSGでの予選突破だったり、自信がつくレースがあったりして少しずつモチベーションは上がってきた」と徐々に気持ちを立て直し、女王決定戦の舞台で最高の結果を残した。
これで賞金ランキングも女子で1位、全選手の中でも21位に浮上。「まずは次の節を全力で頑張りたい。グランプリはチャンスがあれば頑張ります」と目の一走入魂の姿勢を貫き、最強ヒロインの称号は誰にも譲る気はない。
「もっと強くなりたい」。飽くなき挑戦はこれからも続いていく。