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【ボクシング】性別騒動を受け英メディア警鐘「安全な未来を持てるように疑問解消が不可欠だ」

東スポWEB 2024年8月14日 17時54分

パリ五輪のボクシング女子66キロ級のイマネ・ヘリフ(アルジェリア)と57キロ級のリン・ユーチン(台湾)をめぐって大論争が起きた性別騒動を受けて、英メディアが競技の今後に警鐘を鳴らした。

騒動が起きたのは1日に行われたヘリフの初戦。相手のアンジェラ・カリニ(イタリア)がわずか46秒で棄権して「ものすごい威力のパンチを受けた」と涙ながらに訴えた。

ヘリフとリンは、昨年の世界選手権において性別適格検査で失格。国際ボクシング協会(IBA)は5日に緊急会見を開催し、2人はその際の検査で「XY染色体(男性染色体)」を持っていることが判明したと公表。「パリ五輪への出場は禁止されるべきだ」と主張した。

さらに2人が圧勝の連続で金メダルを獲得したことで、出場の是非をめぐって世界中でさらに議論が高まりを見せている。

そうした中で、五輪を専門に扱う英メディア「インサイドザゲームズ」は今大会のボクシングを総括する特集で、性別騒動に焦点を当てた。

「69か国から248人のボクサーが、ローランギャロス競技場の美しい舞台で52個のメダルをかけて競い合った。しかし、性別による出場資格をめぐる論争がスポーツの功績に影を落とした」と指摘した上で、こう続ける。

「彼女たちの性別は、競技に参加すべきだったかどうかについて幅広い議論を巻き起こした。彼女たちの染色体は女性に典型的なものではないため、ライバルたちは声高に不満を述べた」と指摘。対戦相手が試合後などに相次いで抗議のジェスチャーをしたことなどが騒動を大きくさせたとした。

「この論争によって影を潜めてしまったのは残念なことだ。この論争は未解決のままであり、さらなる論争を巻き起こしそうだ」と危惧する同メディアは、今後の対応策が重要になると強調する。

「ファンにとってボクシングの魅力は否定できない。だからこそ、できるだけ早く紛争を解決することが非常に重要なのだ。ボクサーたちがより安全な未来を持てるように、あらゆる疑問を解消することが不可欠だ。女子ボクシングへの疑問によって世論を二分してきた論争は、早急に解決する必要がある。2028年までの道筋を明確にする必要がある」と説き、選手が納得して競技に打ち込める環境整備の必要性を提言した。

ボクシング界だけでなく、スポーツ界全体が今回の問題に関して早急な対策が求められそうだ。

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