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【甲子園】大阪桐蔭を撃破! 〝大物食い〟小松大谷が忘れられない10年前の歴史的屈辱

東スポWEB 2024年8月15日 6時9分

第106回全国高校野球選手権大会の第8日(14日)の第2試合で小松大谷(石川)が西の強豪、大阪桐蔭に3―0で完封勝利を収める〝番狂わせ〟を演じた。先発の西川(3年)が92球で強打線を散発5安打に抑え、攻撃では相手の失策を絡めて粘り強く得点を重ねた。大物食いを果たした小松大谷だが、ナインはチームが10年前に味わった歴史的屈辱を胸に秘め「最後まで気を緩めない」と誓って試合に向かっていた。

エース右腕の西川(3年)が大阪桐蔭に連打を許さず、相手先発の剛腕・森(2年)と一歩も引かない投手戦。西川の力投に打線がスコアレスで迎えた終盤の7回に奮起した。相手ミスを絡めて1点を先制すると、なおも二死三塁から田西(2年)の中前打で追加点。8回にも西川の内野安打で3点目を挙げ、大物を撃破した。西野監督は「信じられないです」と興奮を隠せず、マウンドでガッツポーズを決めた西川も「最高の舞台で最高の相手と楽しんでやろうと思った」と声を弾ませた。

明るく、笑顔を絶やさない小松大谷ナインだが、10年前に味わった〝屈辱〟を忘れることはない。2014年夏の県大会。小松大谷は決勝で星稜と対戦し、9回まで8―0と一方的な試合を展開し、甲子園出場まであとアウト3個まで迫っていた。しかし、9回裏に大どんでん返しが待っていた。一挙9点を失ってまさかの大逆転サヨナラ負け…。一瞬の気の緩みが生んだ悲劇だった。

チームは〝戒め〟として当時の新聞記事をコピーし、今もグラウンドのベンチや室内練習場に掲示している。当時、小学1年生だったナインの一人は「試合を見ていたので覚えています。こんなことが起こるんだってビックリしました」と話し、別のナインは「この記事とスコアを見るたびに〝最後まで手を抜かない〟と言い聞かせています。9回の表が三者凡退だった。学校の人たちも責任を感じていたと聞くし、繰り返すようなことがあってはいけない。どれだけ点数を取って勝っていても0―0の気持ちでやらないといけない」と教訓にしてきた。

ライバル両校の伝説の一戦として語り継がれ、後日テレビでもドキュメンタリー番組として放送された。そのDVDを部長が保管し、今大会前にもナインが個々に借りて視聴してきた。大阪桐蔭を破って勢いづく小松大谷が、最後まで集中力を切らせることなく、智弁学園(奈良)との3回戦(17日)に臨む。

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