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高須幹弥院長 ルックス重視の風潮に警鐘「美容整形が増えると国の幸福度は下がる」

東スポWEB 2024年8月15日 9時4分

【高須幹弥院長インタビュー②】高須クリニック名古屋院の高須幹弥院長(49)が日本の若者を侵食するルッキズムについて思いを語った。インスタやTikTokの流行がルッキズムを誘発していると指摘した高須院長は「ルッキズムが過剰になれば国民の幸福度は下がっていきます!」と断言。美容整形業界の第一人者が〝ルックス至上主義〟に警鐘を鳴らした――。

――高須院長は最初から美容整形外科医になろうと思っていたんですか

高須 親が美容外科でクリニックをやっているんで、まあ継がされる圧力っていうのがあって(笑い)。元々、愛知県幡豆郡(現・西尾市)一色町に高須病院があって、父も母もそこで働いてたんですよね。美容外科じゃなくて、父は整形外科、母は小児科や産婦人科、祖母も産婦人科、小児科、内科などをやっていました。だから、母や祖母が夜中に呼ばれて病院に行く、そういう光景をずっと見ていましたし、自宅と看護師さん、看護学生さんの寮もくっついていたので一緒にご飯を食べてました。そういう環境だと、当然、お前も将来、医者になるんだよっていう形になるんですよ。

――診療を行っていて日本でルッキズムが過剰になってきたと感じるようになったのはいつごろからですか

高須 やっぱりインスタやTikTokが流行りだしてからですね。若い子がインスタをやり始めて誰もが自撮りしたものをSNSにアップするようになった。写真を見る機会がすごく多くなって、同年代や同じ立場の人と自分を比べる機会がすごく増えたわけです。そこから自分のルックスについてより意識するようになっていった。高解像度で撮ってすぐ見れるという状況で、自分の顔ってこんなにブサイクなんだって実感しちゃう人が多いんですよ。若い子で整形する人って「写真がー、写真がー」って言うんですよ。写真を撮った時の顔が気に入らないっていう人ばかりなんですよ。

――みんなかわいく写るために必死になる

高須 写真って一瞬を切り取ったものなので、どれだけ元がいい子でもブサイクに写るっていうことがあるんですよね。にぃーと笑えば、目が細くなって鼻の穴が膨らむこともあるわけで。かわいく撮れていない写真を見て「私、写真を撮るとブサイクなんで整形してください」と来るわけです。「いや、かわいいですよ」と言っても「写真がー」と言い張って会話成立しない若い子が増えましたね。

――ルックスにこだわりすぎる風潮についてはどう思いますか

高須 やっぱり今の若い人は不幸になってますよね。悩まなくていいことまで悩んでる人が多い。脳の中で認知がゆがんでいるだけの人って多いんですよ。本当に顔が悪いんじゃなくて、勝手に悪いって思い込んでてメンタルが病んでる人が多いのでかわいそうだなって思います。

――ルッキズムが過剰になってかわいくなりたいという人が増えれば増えれば美容整形業界にとってはプラスじゃないですか

高須 美容整形をする人の数が増えてみんなが整形する世の中になるのは国民全体から見ると不幸になると思います。20年前ぐらいだと美容整形って本当にポツポツってクリニックがあって、国民の一部の人だけが整形するという感じでした。本当に顔の悪いところをなおすっていう時の方が国民レベルでは幸福度は高かったと思うんですけど、今、日本国民、特に若い人の多くが自分の顔はブサイクだと思い込み、なおかつみんなと比べるんですよね。写真を撮って。自己肯定感が低くなって整形するという人が増えたから本当は良くないんじゃないかなって思ってます。ニーズが増えるからそっちの方がコスパが良くてもうかるから、美容整形の道に進む医者も増えてて、国家全体としてはあんまり良い傾向じゃないですよね。

――整形大国は幸せにはならない

高須 韓国って日本以上に整形大国で、人口当たりの整形比率って世界一なんですよね。そして韓国はご存じだと思うんですけど、超ルッキズムでビジュアル格差社会じゃないですか。女性は美人じゃないといけない、若くないといけないっていう風潮なんですよ。国全体が就職の面接でも美人だと圧倒的有利だから、就職の面接する前に整形するのが当たり前になっている。男性は身長が低い男は人権がないみたいな感じです。ルッキズムが過剰になればそれだけ幸福度が下がりますよね。だから本当に平均から逸脱してる、顔の本当に悪いところだけを整形でなおすぐらいの世の中の方が良かったんじゃないかと思います。

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