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パリ五輪流行語大賞は無課金おじさん?ズルーレット? ITジャーナリストと選んでみた!

東スポWEB 2024年8月15日 11時40分

閉幕したパリ五輪の余韻がまだ続いている。物議を醸した開会式に始まり、疑惑の判定のあった柔道、ボクシング女子の性別騒動は今後の課題を提示し、すい星のごとく現れた「無課金おじさん」は世界的有名人になった。スケートボードでは東京五輪に続く名実況も生まれた。果たして今年の流行語になる言葉はどれなのか。

スポーツ観戦とSNSは相性がいいため、ネット発の言葉が話題になることが多かった。

その中でも鮮烈な印象を残したのが「無課金おじさん」だ。射撃混合エアピストルのトルコ代表として銀メダルとなったユスフ・ディケチの競技スタイルに世界が注目した。白いTシャツで耳や目に装備をつけないラフな格好で眼光鋭く的を見据える。銃を持たない左手はポケットに入れる姿も様になっており、海外では「ヒットマンだ」と話題になった。

日本では装備をしていないことから、SNSを中心に「無課金おじさん」というあだ名が広まった。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「装備にお金をかけていないように見えることを“無課金”と表現するのがネットっぽい。ソーシャルゲームでお金をかけないことを言う無課金から来ているわけですが、現実のゲーム(競技)と空想のゲームをひっかけるのがネットらしくもあります」と評価。ソシャゲへの課金が問題視されるなか、センスの光る一語となった。

五輪全体では誤審疑惑も多く、「誤審ピック」なる言葉も誕生。特に柔道では男子60キロ級で永山竜樹がスペイン代表との試合で「待て」がかかった後も寝技で絞め続けられた「悪魔の6秒間」が大きな話題となった。柔道混合団体決勝でも、対戦階級を決める抽選でフランスに有利な目を出す「ズルーレット」に日本は涙した。

「『ズルーレット』はガチャに似た感覚がありますが、仕組まれていたんじゃないかという陰謀がくっついているのがネット的。『ブルーレット』に語感が似ており、日本人ならではの言葉の作り方を感じます」(同)

スケボーと流行語の相性はよさそうだ。東京五輪が行われた年の「2021年ユーキャン新語・流行語大賞」ではスケートボードの実況・解説から「ゴン攻め・ビッタビタ」「13歳、真夏の大冒険」がノミネート。今大会でも「金メダルに恋した14歳」や、サッカーにおける「死の組」に近い意味の「地獄ヒート」が候補となりそうだ。新種目の「ブレイキン」は競技名がそのままノミネートされても不思議でないくらい盛り上がった。

「スケートボードやブレイキンは若い世代にとって親近感がある。一方、その2つに『五輪種目でいいのか』と批判している人は年かさの人が多く、言葉の流行も世代で断絶している印象を受けます」(同)。若者に受ける言葉がこれらの種目から出てきそうだ。

ほかにも、馬術競技で92年ぶりメダル(銅)の総合馬術団体「初老ジャパン」や開会式関連のワードもあり得そう。また、リオ五輪で「タカマツペア」が話題となったように、バドミントンの銅メダル組から「シダマツ」(志田千陽、松山奈未)、「ワタガシ」(渡辺勇大、東野有紗)の候補入りも可能性がある。また、女子やり投げ金メダルの北口榛花が「名言が残せなかった」と話していたが、これを含めて日本人選手の発言も選ばれそうだ。

一方、井上氏は「私がネットでバズっていたと思ったのが『永瀬すぎる』です。柔道の男子81キロ級金メダルの永瀬貴規選手の態度から来ています。非常に謙虚だったことから、それをポジティブに表現した言葉です。ハッシュタグが付けられ『#永瀬すぎる』と拡散されているくらいだから多くの共感を生んだ言葉と言えるでしょう」とイチオシした。

あなたの印象に残った言葉はどれ?

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