パリ五輪の柔道混合団体決勝(3日=日本時間4日)で最後に勝負を決めたテディ・リネール(フランス)が、阿部一二三(パーク24)を破ったジョアンベンジャミン・ガバとの裏話を披露した。
日本は開催国フランスに3―4の大逆転負けを喫して銀メダルに終わった。最終決戦では、日本が3―1と王手をかけて迎えた阿部―ガバ戦の判定をめぐって物議を醸しているが、その試合前に展開されたエピソードをリネールは明かしている。
フランス紙「レキップ」のインタビューで、リネールは「私たちは経験から、さまざまな方法でチームメイトと話す必要があることを理解している」とした上で、ガバに対して「下品」なゲキを飛ばしたと笑いながら答えた。
「彼に言ったんだよ! ケツを蹴飛ばしてやれ! フ×××!」と放送禁止用語を交えて試合前に活を入れたとリネール。続けて「それが彼の〝エサ〟なんだから。試合前、彼はそこにしゃがみ込んで雄叫びを上げるライオンなんだ、ライオン!」と強敵の阿部に対して、野獣のように立ち向かうようガバに気合をいれたという。
試合としては阿部から逃げまわって指導を2回受けるなどライオンとは程遠い内容のガバだったが、最後になりふり構わぬ〝タックル技〟で阿部を仕留めた。チームに金メダルをもたらす劇勝は、リネールの一喝が効いたのかもしれない。