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大谷翔平を潰す気か!メジャー新ルールでDH使えなくなる?選手から不満の声続々

東スポWEB 2024年8月17日 11時19分

MLBが先発投手に最低6回を投げることを義務づける新ルールを検討していると15日(日本時間16日)に米スポーツ専門局ESPN(電子版)が報じた。100球以上投げ、自責点4以上となったり、負傷した場合(負傷者リスト入りが義務づけられる)は除くという。今後、議論を重ね、マイナーで試験的に運用する必要があり、導入には数年かかる見込みだ。来季に投手復帰する見込みのドジャースの大谷翔平投手(30)への影響は必至。潰される可能性もある――。

ESPNによると、先発投手に最低6回以上の投球を義務づけるのは「先発投手の存在感を高めるほか、球速に頼りすぎず制球や効率を重視する方向への転換を促してケガを減らす」ことが狙いだという。

具体的には「投手は最高球速に過度に依存することをやめ、球威で圧倒するのではなく、より長いイニングを投げ切るためのトレーニングを組むようになる」という。100マイル(約161キロ)超えが当たり前になった球速に頼るのではなく、制球や効率を重視する投球スタイルに転換することで故障を減らそうというのだ。

2014年の先発投手の1試合あたりの平均投球回数は5・97だったが、5・25回に減少。3Aは4・3イニングに減った。オープナーの影響もあるのだろうが、長いイニングを投げる先発投手は減っている。また、先発投手の故障が相次いでおり、ドジャースでも13日(同14日)に新人右腕のライアンが右ヒジのトミー・ジョン手術を受けることが発表されたばかりだ。

しかし、選手の反応は好意的ではない。ブレーブスの救援投手のバマーは「すでに負傷者が大量に出ているのに、先発投手の投球制限や制約を設ける道理が分からない。明らかに調子が良くない、または調子が悪いのに、出場させなければならない選手を無理やり投げさせるわけにもいかないと思う」と首をひねる。

レイズ、フィリーズなどで164試合に先発しているエンゼルスのムーアは「彼らがやろうとしていることは理解できるけど、実際のところは何も変わらない。ルールを加えることで、その投手にさらなるプレッシャーがかかる」と指摘した。

打者ではエンゼルスのモニアクは「自分はピッチクロックは好きだし、最低打者3人に投げるのもナイスだと感じているけど、これに関してはやりすぎじゃないかなと感じる。細かいところまで知らないけど、見た感じ、先発投手らにケガのリスクを負わせているように見える」とバッサリ。

そうなると大谷への影響も心配される。昨季、大谷は23試合に先発(雨天中断や故障の影響を受け、2試合で早期降板)し、平均6・12イニング。6回未満、100球未満、自責点4未満での降板は2度だけと優秀だった。しかし、右ヒジの2度目の手術前だったことから、来季以降も続けられる保証はない。日本ハム時代から常に全力投球の大谷だが、投球スタイルの変更を余儀なくされそうだ。

さらに問題はMLBが同時に検討している「ダブルフックDH」だ。これは先発投手が5回以下で降板するとDHが解除され、DHは試合から退くというもの。つまり、大谷がDHで出場する限り、先発投手が5回以下でマウンドを降りた場合、試合に出続けることができないということ。外野などの守備に就く必要がありそうだ。

クレバーな大谷はしっかり対応するのだろうが、投打のパフォーマンスが低下しないことを祈るばかりだ。

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