巨人は18日のDeNA戦(横浜)に延長11回の末、1―2でサヨナラ負けを喫した。首位・広島と再び1ゲーム差となった阿部監督は「さっぱり終わったな」とサバサバと振り返った。
最後は7番手の平内がオースティンに痛恨の一発を被弾したが、先発した「円熟エース」菅野智之投手(34)は〝心のゆとり〟で好投を続けている。この日は6回1失点で勝敗つかず、1点を追う7回の打席で代打を送られ「もっと投げたかった」と語った。防御率は1・87となり、指揮官も「ピッチャー頑張ったよね。まあ、それ(1失点)を言ってたら明日になっちゃうから」とかばった。
昨季は4勝8敗だった背番号18が、今季はリーグ単独トップの11勝(2敗)を挙げて1人で貯金9を稼ぐ活躍。「疲れないっていうのはうそになるかもしれないけど、しっかり1週間の間にリカバリーしてフレッシュな状態でマウンドに上がることができている。この1か月はハイパフォーマンスを出せていると思う」と自身の好調を実感している。
周囲も「昨年までの菅野はブルペンでもピリピリしていた。まるで人が変わったよう」(チームスタッフ)と常に上機嫌な菅野の〝変身ぶり〟に驚きを隠せない。
投球練習を何よりも大事にする右腕は投球動作中、カメラマンらが視線に入らないように球団に依頼。当時は投手キャプテンとして他の投手も思いやっての行動だった。そのためジャイアンツ球場のブルペンは現在も室内、屋外とも撮影角度は投手に正対することなく、斜めからとなっている。
また右腕は「ここからは入っちゃダメ」と取材エリアにも常に目を配っていた。そうした〝規制〟は練習に集中し、試合で最高のパフォーマンスを発揮するためのものだった。
しかし、今季の菅野はこの日の降板後もベンチで時折、笑顔を見せながらナインに声援を送るなどリラックスムード。このまま菅野が自然体のまま好投を続けてシーズンを完走できれば、4年ぶりのV奪回も近づきそうだ。