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【甲子園】今年は大型投手、野手も豊作? 中日スカウト部長・松永幸男氏が見たプロ注目の〝逸材〟

東スポWEB 2024年8月21日 11時42分

第106回全国高校野球選手権大会は23日にいよいよ決勝戦を迎える。熱戦を繰り広げてきた高校球児たちはプロの目にどう映ったのか。10月24日にはプロ野球のドラフト会議も控えている。甲子園球場のバックネット裏から各球団のスカウトらが目を光らせる中、中日で編成部長などを歴任し、現在はスカウト部長を務める松永幸男氏(59)がピックアップした逸材や注目選手は――。

投手では世代ナンバーワンの呼び声高い東海大相模(神奈川)の最速149キロ左腕・藤田琉生と、報徳学園(兵庫)の最速151キロ右腕・今朝丸裕喜の投げっぷりが際立ったという。

「藤田君は身長198センチもの上背があって、そこから投げ下ろす角度のある直球はとても魅力。春よりもスピードがアップしていたし、カーブ、スライダー、チェンジアップと変化球も多彩。未完成の部分はあるが、完成したらどんな投手になるんだろうという楽しみが大きい」と高評価。

身長188センチの今朝丸についても「初戦で大社(島根)に敗退したが、相手にかなり研究されていた印象があった。それでもハマッた時のボールは、さすがのひと言。真っすぐはもちろん、スライダー、チェンジアップ、フォーク、カーブとボールにキレがある。大型投手なのに指先の感覚の器用さが感じられ、きっちり内外角を投げ分けられるコントロールがあり、いい投手なのは間違いない」と太鼓判を押した。

今大会は他にも聖カタリナ(愛媛)の有馬恵叶(190センチ)や青森山田の関浩一郎(186センチ)など長身投手の好素材が多いが「有馬君は素材型で、もう少し球速が上がってくればというところ。本格的に投手に転身してからまだ日も浅いようだし、伸びしろはかなりありそう」と将来性にも期待する。

関東第一(東東京)の最速149キロ右腕・坂井遼も目に留まったようで「真っすぐを、力を入れても抜いても同じフォームで投げるので、打者にとっては非常にタイミングが取りづらい。抜いて投げてもストライクを取れるのはなかなかできないこと。ただ、救援登板が多いので先発完投ができるのかどうかも見てみたい」。

身長172センチながら、巧みな投球が下級生の時から話題となっていた広陵(広島)の高尾響にも「投手としてセンスがあり、マウンドさばきがいい。1、2年生の時に抜群だった直球の出力が3年生になってさらに上がってくれば、プロ入りしても結果を残せる可能性はある」と分析した。

野手では、いずれも遊撃手の花咲徳栄(埼玉)の石塚裕惺、早実(西東京)の宇野真仁朗の名前を挙げる。「石塚君はバッティングも肩もいいし、走攻守ともスケールが大きい。宇野君も石塚君と同等レベル。プロ意識が高いのか、しっかり木製バットを扱えていて早めに慣れておくのは有利」と指摘した。

遊撃手で投手も兼任した宮崎商の中村奈一輝については「抜群の守備センスがあり動きがいい。打撃は非力なところがあるが、プロに入って体を鍛えればレギュラーを狙えるような選手になっても不思議はない」。

プロ志望を表明した健大高崎(群馬)の箱山遥人捕手は今大会では7打数1安打に終わったが「地肩が強く、フットワークがいい。プロ入りすれば、息の長い捕手になれる存在感がある」とうなずいた。

さらに甲子園出場こそ逃したが、福岡大大濠の柴田獅子、前橋商(群馬)の清水大暉、佐伯鶴城(大分)の狩生聖真の3投手も有力なドラフト候補とみており「特に柴田君は打撃もいいものを持っている。二刀流になれるような素質がある」と二重丸をつけている。

多くの感動や興奮を届けた球児たちが、どんな道に進むのかも注目される。

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