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【甲子園】関東第一が決勝へ 飛田の〝神送球〟に米沢監督は目潤ませ「悩んでいた時期あった」

東スポWEB 2024年8月21日 14時19分

第106回全国高校野球選手権大会の第13日(21日)準決勝第1試合は関東第一(東東京)が2年連続で4強入りした神村学園(鹿児島)に2―1で逆転勝ちし、夏は初めての決勝進出を決めた。

まさに〝らしさ〟が出た試合だった。この日の先発は今大会初登板の大後武尊(3年)。米沢監督が「調子が良かった」と語る右腕は前日に登板を直談判。その強心臓ぶりをマウンドでも見せつけた。打たせて取る投球で相手打線に的を絞らせない。4回に1点を取られたものの、バックの堅い守りもあり5回1失点と先発の役割を果たした。

打線は相手先発・今村(3年)の前に大苦戦。「動く球が面倒くさかった」と7番・熊谷(3年)が語るように6回まで無安打無得点に抑えられていたが、一瞬の隙を見逃さなかった。7回に初安打が出るなど一死二塁の好機をつくると、その熊谷が一塁線を破る適時二塁打を放ち、同点。さらには相手の失策も絡み勝ち越しに成功した。

6回からは背番号1の坂井遼(3年)が登板。3イニングで6つの三振を奪う好投を見せていたが、山場は9回に訪れた。

2年連続ベスト4の相手の粘りで二死一、二塁と一打同点、長打が出れば逆転のピンチを背負った。ここで代打の玉城(3年)に中前打を打たれ同点かと思われたが、中堅・飛田優悟(3年)が見事なノーバウンド送球を披露。二塁走者の本塁生還を許さず、試合を締めた。

飛田の一世一代のバックホームについて米沢監督は「彼が送球で少し悩んでいた時期があったことを思い出した」と目を潤わせ「(試合前に)少しアドバイスというか、こうした方がいいんじゃないかみたいなことも話した。そういうところを通ってああいうプレーになった」と明かした。

さらにベンチでは対戦相手の神村学園を引き合いに選手にハッパをかけた。「神村さんの粘りがすごいんですよね。だからベンチで『あれをお前らがやんなきゃいけないんじゃないか』とずっと言ってて。(相手の)粘り強さをすごく感じましたし、勉強になったなと思います」と話した。

創部98年目にして初優勝に王手をかけた。指揮官は「最後って感じしないんで、まだまだ続くと思うぐらいの気持ちで。でもその一試合を大事に。すべてを出してぶつかっていきたい」と意気込んだ。深紅の大優勝旗まであと1勝だ。

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