ボクシングのスーパーバンタム級４団体統一王座戦（９月３日、東京・有明アリーナ）でＷＢＯ同級２位ＴＪ・ドヘニー（３７＝アイルランド）の挑戦を受ける同級４団体統一王者・井上尚弥（３１＝大橋）が２１日、横浜市内の所属ジムで公開練習を行い、「判定は許されない」とＫＯ勝利を義務付けた。
海外大手ブックメーカーのオッズでは井上の勝利が１・０２倍、ドヘニーの勝利が１５倍と大差がつくなど下馬評では圧倒的優位に立っている。
だが、井上は周囲の楽勝ムードの中でも気を抜かないことを意識して調整し、「一番よく練習したなという自負があるぐらい、かなり追い込めました」と仕上がりに手ごたえ。この日披露した３ラウンドのシャドーボクシングと２ラウンドのサンドバッグ打ちでは、安定感のある動きから力強く鋭いパンチを繰り出して、好調を感じさせた。
ドヘニーについては「体がでかい」と語り、父の真吾トレーナーも「体もフィジカルも強い」とパワー面を警戒する。井上は「ドヘニーがやるべきことは分かっているし、判定で勝とうなんて気持ちはさらさらないと思う。だからこそ気をつけないといけない。一発というものを、そこだけは気をつけながら、試合を運んでいきたい」と、相手が攻撃的に来ることをイメージした。
そして「判定決着は許されない。その中で流れをしっかり作って、仕留めるべき瞬間に仕留められるのがベスト」と自ら義務付けた。モンスターが充実した心技体で貫禄を見せつける。