やはり役者が違った。ドジャース・大谷翔平投手(30)が23日(日本時間24日)、本拠地ドジャー・スタジアムでのレイズ戦で40本塁打、40盗塁の「40―40」を史上最速で6人目の偉業を達成した。
第2打席に内野安打で出塁した4回に二盗を決め、40盗塁に到達した大谷。残るは40本塁打だけとなった同点で迎えた9回二死満塁の劇的すぎる形で決めた。相手は6番手左腕のポシェ。その初球だった。84・3マイル(約135・7キロ)のスライダーを見逃さなかった。豪快に振り抜いた105・1マイル(約169・1キロ)の打球は35度の角度で打ち上がり、長い滞空時間をへて右中間席へ飛び込んだ。節目の一打をサヨナラのグラウンドスラムで決める漫画のような展開に、本拠地のファンもナインも大興奮だ。
ウオーターシャワーを浴び、仲間たちからもみくちゃにされた大谷。グラウンドでインタビューを受ける際には大量に浴び「うれしいですし、何より勝てた、最後に打てたことがドジャースに来てからの今のところの一番の思い出になっているかなと思います」と興奮気味に語った。
過去5人しかいなかった「40―40」の達成者も8月中に記録した選手はいなかった。大谷は「40―40」について「それ自体が目的になるというよりかは勝つための手段として、一つそういった記録が作れたというのはすごい大きなことかなと思います」と息をついた。
大記録がかかった中でも「打席では何も考えずに勝ちたいな、1本打ちたいなと」と無心だった。もちろん、さまざまな常識を打ち破ってきた大谷とっては〝通過点〟に過ぎない。見据える目標はまだ先にある。
「ポストシーズンに進出してワールドシリーズで勝つということが一番の目的なので。自分の数字というのは後からついてくればいいかなと」
ユニコーンの旅はまだまだ続く。