大偉業の瞬間に日本中が沸く中、歴史的ホームランボールを取り逃したファンの悲哀に注目が集まっている。ドジャース・大谷翔平投手(30)が23日(日本時間24日)、本拠地で行われたレイズ戦で40号サヨナラ満塁弾の離れ業で「40本塁打、40盗塁」を達成。史上6人目、126試合目での到達はMLB最速となった。
漫画のような展開で大偉業を達成するあたりが正真正銘の「スーパースター」だった。3―3で迎えた9回、二死満塁。初球スライダーを捉えると、自身3度目となる節目の40号を右中間席に放り込んだ。打った瞬間、観客が総立ちとなった本拠地。視線はもちろん打球のゆくえだった。着弾地点にはグラブをはめて待ち構える一人の男性。幸運にも大谷の放った大飛球はそのグラブに吸い込まれるように向かった。
だが、捕球寸前、素手でキャッチしようとした隣の大柄な男性と接触する形でファンブル。フェンスを越えたボールは男性のグラブにはね返されるような形でグラウンド側に転々と転がった。この無情すぎるシーンに、グラブをはめた男性は頭を抱えて落胆。隠し切れない悔しさが全身から伝わった。
これにはネットやSNSなどから同情の声が多数が上がった。「一生後悔するだろうな」「これは痛すぎる」「相当値段ついた」など取り損ねたファンの心中を思いやる書き込みが相次いだ。宝物として自分で保管するも良し、譲渡するも良しだが、それはキャッチしてこそ。投打二刀流の稀代のスター・大谷が史上最速で達成した「40―40」。球界に革命を起こし続ける男の歴史的大偉業ゆえに、価値は計り知れなかったはずだ。お茶の間からはファンの無念に思いを寄せる声であふれた。