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【日本ハム】新庄監督 レイエス登板予告の〝冗談〟はCS見据えた「心理戦」か

東スポWEB 2024年8月28日 5時6分

日本ハム・新庄剛志監督(52)の〝冗談〟がチーム内外でさまざまな臆測を呼んでいる。パ2位のチームをけん引する指揮官は25日に自身のインスタグラムを更新。フランミル・レイエス外野手(29)がカブス時代にマウンドに立った動画を添付し、27日・楽天戦(エスコン)での先発登板をにおわせる投稿を行ったが、ふたを開けてみれば結局実現しなかった。助っ人野手の登板について新庄監督は一笑に付しているものの、その裏側には「心理戦」の意味合いも隠されているようだ。

これも〝新庄流〟のかく乱戦術か。25日のソフトバンク戦(エスコン)後に自身のインスタグラムを更新した新庄監督は「明後日の楽天戦 先発 レイエス『モーレ』で行かせてもらいます 皆さん 期待してください 彼はやります!」と投稿。カブス時代のピッチング動画も添え、27日・楽天戦で助っ人野手・レイエスの〝先発予告〟を宣言した。

さらにレイエスも指揮官の投稿直後に「準備はできている」と返信したため、球界関係者やファンの間では「本当に登板させるのか」と不安と期待の声が交錯しながらも騒然となった。

だが、前日26日に発表された予告先発では当日のマウンドに金村が立つことが判明。27日の楽天戦前に報道陣に応対した新庄監督はインスタ発言の真意に関し「〝先発登板〟って書いてなかったでしょ。こんな(優勝、CSを争う)大事な時期に(レイエス登板は)あるわけないでしょ。投げさせるとは言ってないので」と〝冗談〟であったことを強調した。その上で「15対1ぐらいでウチが負けててピッチャーを使いたくなかったら上川畑君を投げさせる。まあでも、この状況で話題を作るには…もってこいでしたね」とも続け、満面の笑みで明かした。

確かにチームがし烈なCS進出争いの中、野手のレイエスを登板させることなど普通に考えればあり得ない。しかもレイエスは27日現在で19試合連続安打と絶好調。刺激策を与える必要もない。

では、なぜそんな状況下にも関わらず新庄監督は〝冗談〟を発信したのか。チーム周辺では「純粋な遊び」と捉える向きもある一方で「今後のCSや日本シリーズを見据えて心理戦を展開し始めたのではないか」という声も実は根強い。

新庄監督は奇抜な発想の持ち主だが意味のないことを嫌う。時折繰り出す奇策や仰天采配も何らかの意図があってのことだ。だからこそ球団OBの1人も今回の一件を「冗談だけとは言い切れない」と、こう分析する。

「レイエスの〝登板予告〟もCSや日本シリーズに向けての陽動作戦と考えれば筋が通る。登板できることをアピールすれば、他球団は『そんな起用法もあるのか』と少なからず警戒、動揺するはず。しかも仮にCSを勝ち進んで日本シリーズ進出となれば指名打者中心のレイエスの起用は難しくなる。そうした状況を考慮した上での〝冗談〟だったのかもしれない。単純に〝遊んだ〟とも考えられるが、実際に現場やファンが大混乱に陥ったことを考えれば大成功。今後に向けたアイデアだったのではないか」

ちなみにレイエスは、この日の試合前に本拠地内のブルペンで投球練習を敢行。わずか10球だったが捕手を座らせ140キロ台の直球、スライダー、フォーク、シンカーを投げ分ける気迫の投球を披露した。しかも投球後には「今日は遊び」と笑みを浮かべ「リリーフ陣を休ませる場面があれば自分は投げられる」と実戦登板に意欲をのぞかせていたのだから不気味だ。

この日の楽天戦でチームは延長12回の末、3―3のドロー。くだんのレイエスが1点を追う9回一死から同点適時二塁打を放つ執念を見せた。指揮官を筆頭にファイターズの面々の脳内では、すでにプレーオフも見据えた戦いが始まっているのかもしれない。

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