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【レスリング】ファッションが注目された金メダリスト・鏡優翔の胸中「おしゃれしながら、強く」

東スポWEB 2024年8月29日 11時9分

11日に閉幕したパリ五輪で、レスリング日本代表は8個の金メダルを獲得する活躍を見せた。なかでも女子76キロ級の鏡優翔(22=サントリー)は、女子最重量級で日本勢初制覇の快挙を達成。帰国後のメディア出演では、チャーミングな笑顔とファッションセンスで人気もうなぎ上りだ。レスリング界の新たな〝顔〟となった金メダリストに、現在の胸中を聞いた。

――金メダル獲得後、一番変わったことは

鏡 テレビとかにいっぱい呼ばれて普段、歩いていても声をかけられるようになった。「ありがとうございました」と言われることがすごく多くて。私は必死に自分の目標に向かってレスリングをやってきたんですけど、そうして感謝を伝えてもらえると、レスリングやってきて良かったと思うし、一番うれしかったです。

――大会中に見せた笑顔が話題になった

鏡 みんなにも「終始笑顔だったのが良かった」と言われます。自分自身もオリンピックを楽しもうと思っていたし、海外の大会で家族、友だちとか知っている人が周りにいるというのは、なかなかなかったので、そういうのも楽しめました。

――藤波朱理が女子53キロ級で金メダルを獲得した際も一番喜んでいた

鏡 特別に仲良くしていたし、ずっと小さい頃から「オリンピックで金メダルを取ろう」とお互いに言ってきたし、ケガも同時期にしたし。私が(試合に)出られて、朱理が出られない時もあったし、私が出られなくて、朱理が出られた時もあった。励まし合いながら金メダルを取ったので、特別にうれしかったです。

――鏡選手はレスラーらしからぬファッションでも注目を集める

鏡 アスリートはスポーツだけやっているだけではなくて、その競技をしていない時はカッコ良かったり、おしゃれであってもいいと思う。区切りをつけられたら、いいなと思っているので、ファッションを意識している。自分のスタイルをよく見せる格好とか、トレンドを調べたりとかよくやっています。お店にも一人で行くところは多いし、優柔不断なんで1個買うのに時間がかかるので探しに出てます。

――トリコロールに染めた髪色も話題に

鏡 やっぱりフランスにちなんだ色にしたいと思ってて。試しに金髪にした時もあったけど、好評な部分もあれば、(年齢が)上の方が見ればよく見えないという意見も聞こえたので、いろいろ考えたらトリコロールになりました(笑い)。レスリングはメークやアクセサリーをして出られない。陸上とかきれいにして出られるけれど、写真を撮られるにあたって、髪の毛がきれいだったら美しく撮れるじゃないですか。スポーツが美しく見える。何もしないではなくて、レスリングに邪魔にならない程度に、ルールの範囲内で美しく見えるように、競技のアピールになったらいいなと思っています。

――競技普及の思いも強い

鏡 競技普及のためでもありますし、自分のため、自分らしくレスリングをやって強くなりたいという思いが強くて。ファッションとかいろいろやるんだったら、レスリングもしっかり強くならなきゃいけないと。自分にメリハリをつけて強くなってやろうという一つの目標があって。レスリングだけの子たちにもいい影響を与えられるかな、こういうやり方もあっていいんだなと伝えられるなっていうのもあって。私自身がおしゃれしながら、強くなってと思ってやってきました。

――五輪が終わったばかりだが、4年後は

鏡 今まで積み上げたものがつらかったもの、厳しかったものがあるので、簡単に4年後とは言えない。結局、レスリングが好きなので、何かしらレスリングを続けるにしろ、レスリングに携わる選択はすると思う。まだ、辞める気は確かにないが、一回考えたいので。(ロス五輪までに)休んだら休んだで、やっぱり体が戻ってしまうのもあるし、私に負けた相手が死ぬ気で4年間積み上げてきたらそこには合わせられないので、本当に4年後を目指すなら、早めに結論を出さないといけないと思う。どうせやる気になると思うけれど、やる気になる期間がいつになるか。

――ちなみに、新日本プロレスの棚橋弘至社長から熱烈ラブコールも

鏡 えー! プロレスに! ちょっと、ないですね。やるとしたら、レスリングだけですね。

――総合格闘技は

鏡(元レスリング世界女王の)山本美憂さんがお母さんになって、すごいきれいな体で出られてかっこいいなと思って。一時はいいかもなという気持ちが出たこともあったけど、周りが「もう、やめとけ」と(笑い)。結局、また戦う競技になるので。レスリングをやらないとなっても、また「戦う」という選択をするかな? と。

☆かがみ・ゆうか 2001年9月14日生まれ。山形・山形市出身。小学生からレスリングを始め、JOCエリートアカデミーに入校。帝京高に進み、高校2年の2018年に全日本選手権を72キロ級で制覇。東洋大進学後は22年の世界選手権76キロ級で3位、23年には同級で世界初制覇を果たした。卒業後はサントリーに入社。167センチ。

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