Infoseek 楽天

【ロッテ】「佐々木朗希のMLB挑戦には、ファンの後押し必要」OBが提言する〝田中将大的〟配置転換

東スポWEB 2024年8月31日 5時10分

ロッテ・佐々木朗希投手(22)が30日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に先発登板し、7回を101球、3安打7奪三振無失点と快投。チームは6―2で快勝し、自身も7勝目を飾った。不本意な投球が続いていたが、4登板ぶりの白星。一方で自身が熱望するMLB挑戦には米メディアの間で過熱報道が相次いでいる。そんな中、ロッテOBで本紙評論家の得津高宏氏は後輩右腕に対し、今オフに夢を実現させるためには「配置転換」と「下克上」がキーワードになると説いた。その理由とは――。

見違えるような投球内容で強力な鷹打線を圧倒した。立ち上がりから佐々木は、フルスロットルに近い状態。2回先頭の山川に中前へ初安打を許したが、ギアを引き上げた次打者の近藤との対戦ではこの日最速となった161キロの直球を投げ込み、最後は内角高めの160キロで空振り三振を奪った。

圧巻だったのは5点リードで迎えた6回だ。周東、牧原、今宮をいずれもフォークをウイニングショットに3者連続で空振り三振。グラブをポンと叩き、表情を緩めることなくマウンドからベンチへ戻る威風堂々とした姿は「令和の怪物」そのものだった。

8日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で5回9安打3失点を喫して以降、3戦連続で勝利の女神から見放されていただけに、この日はハイクオリティースタート(7回以上2失点以下)で〝リベンジ〟を果たした格好だ。要所で直球で押し込みながらスライダー、フォークを多投。普段とはやや異なる投球パターンも冴え渡った。

試合後の佐々木は「気を引き締めて投げた。いい投球を最後までやり通せた」と満足げにコメント。スタンドから熱いまなざしを向けていた複数のMLB球団関係者やスカウトたちも、ホークス打線をねじ伏せた右腕の投球内容には十分に納得した様子だ。

もっとも、佐々木自身が熱望するMLB挑戦の行方は今のところ不透明だ。米主要メディアの間でも今オフのメジャー移籍を断念するか、強行するかで見解は分かれている。ただ、仮に佐々木が後者の道を選択する場合、球団側からの了承を得られなければ、MLB移籍の〝入り口〟となるポスティングシステムを申請できない。また、メジャーへの門戸が開かれたとしてもロッテファンの後押しが必要となってくるだろう。

そうした流れを踏まえた上で得津氏は「それら全てを解決する方法があります」と前置きし、佐々木に次のような〝助言〟を送った。

「現在パ3位のチームをこのままCSに進出させてからの話ですが…。そのポストシーズンでは、佐々木がセットアッパー、あるいはクローザーを務めるべきです。荒唐無稽かと思われるでしょうが、今季の彼には1年間ローテーションを守れずに悔いの残る気持ちが残っているはず。それを払拭するためにも、吉井監督に『僕に中継ぎでも何でもやらせてください』と直訴してみるのは大きな一手です。熱い思いが球団やチーム全体に伝わり、ロッテの面々やファンも『朗希はこんなに熱い男だったのか』と心を奪われることは間違いありません。何よりブルペン要員へ〝配置転換〟となって短期決戦で連投し、きっちりと結果を出せば不安視されている〝耐久力〟もMLB球団に証明できますよ」

かつて2013年シーズンで前人未到の24連勝を飾った楽天・田中将大投手(35)も同年9月26日の西武戦、そしてCSファイナルステージ第4戦(同10月21日、対ロッテ)、そして日本シリーズ第7戦(同11月3日、対巨人)でクローザーを務め、いずれもチームをVへと導いた。

得津氏も「田中も、そのオフにポスティングでヤンキースへ移籍した。あの胴上げ投手となった壮大なドラマがあったからこそ田中は楽天側、東北のファンからも〝容認〟され、胸を張って海を渡ることができたわけです。だからこそ佐々木もポストシーズンのブルペンでフル稼働し、チームを下克上日本一に輝かせてほしい。そうなったら、佐々木のメジャー行きを拒む人間なんて誰もいなくなりますよ。ロッテOBとしては、そう願わずにはいられません」と熱弁を振るった。

果たして佐々木は先輩OBから提言された〝逆転メジャー移籍の勝負手〟に耳を傾けるか。

この記事の関連ニュース