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篠山紀信、大島渚、井上陽水に愛されたアイドル栗田ひろみ 75年に〝芸能界嫌い〟を告白

東スポWEB 2024年9月1日 10時14分

【今週の秘蔵フォト】愛くるしいルックスと不思議な存在感で各界の大御所に注目され、アイドルとして1970年代を駆け抜けた稀有な存在が栗田ひろみだ。

中学1年時に公開番組を見学に行った際にスカウトされてCMモデルとしてデビュー。その後に篠山紀信氏の目にとまり、モデルとして一気に脚光を浴びた。72年にはこれまた巨匠・大島渚監督の作品「夏の妹」の主役に抜てきされて注目を集める。井上陽水も栗田をモデルにした曲「いつのまにか少女は」を作った。その後、テレビや雑誌、グラビアで大活躍して人気アイドルに。74年10月には雑誌で篠山氏撮影のセミヌードを披露して全国の男性ファンをKOした。

75年3月4日付本紙には人気絶頂期の栗田のインタビューが掲載されている。「6羽のかもめ」(フジテレビ系)に出演している最中で、当時まだ17歳だった。

「私が芸能界に住んでいるって不自然なカンジだったの。なじめなかったのね。何か妥協しなければいけないところがあるでしょう。ウソも方便みたいなところが嫌だったの」と語った。

この時は姉が結婚したばかりで「お姉さんは22歳で結婚したからお前はゆっくりだぞ、ってお父さんは言うけど、遅くならないうちにお嫁に行くわ」と笑いつつ、理想の男性は若林豪だと明かし「でも会ってみなければ分からないですけどね」と言うや、また笑顔を見せた。

女優としての将来については「舞台をやってみたいんです。あと1年の辛抱(注・当時は高校2年生)です。学校を出たらバリバリやろうと思っているの。歌は性に合わないから、あまりやりたくないわ。第一ヘタだもん。加賀まりこさん、中野良子さんみたいな女優になりたい。自分を持っているでしょう。私は100%女優じゃないような気がして…」と志の高いところを見せている。

その後も多くのドラマや映画で活躍。しかし80年の大みそかで引退。翌年には一般の男性と結婚して完全に芸能界から身を引いた。70年代を疾走した特別的な存在の栗田にはふさわしい潔い引き際だった。 (敬称略)

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