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【丸亀ボート・SGメモリアル】田原成貴氏「ガンガン攻めている石野貴之選手の〝個性〟に期待したい」

東スポWEB 2024年9月1日 11時4分

ボートレースまるがめのSG「第70回ボートレースメモリアル」は1日、優勝戦が行われる。ボートレースファン歴46年、元天才ジョッキー田原成貴氏(65)は四半世紀前のまるがめSGの思い出と重ねながら、超個性派の男に注目した。そのレーサーとはSG11Vを誇る石野貴之(42=大阪)だ。

【田原成貴氏が熱く語る】日本列島を襲う台風10号の影響で開催が危ぶまれたが、何とか予定通り優勝戦を行うことができるようだ。今回の台風は進路が予測不能。私自身も交通機関の動向に気を揉んだが、ボートレースは気圧や湿気や風の影響をモロに受けるため、選手たちはさぞかし調整に苦労したことだろう。

さて、まるがめと聞いて真っ先に思い出すのが、1998年の総理大臣杯(現クラシック)。私のいとこにあたる西島義則の超個性的なレースが今も忘れられない。インファイターの異名通り予選から準優まですべてインコースを取り切って、ファイナルに駒を進めた。優勝戦でも1号艇の艇王・植木通彦選手からインを奪取し、コンマ11のスタート。3コースから攻めた烏野賢太選手のまくり差しをしのぎ、見事に逃げ切ったのだった。

この優勝劇は私のまるがめの記憶だが、同時に私の中に存在するボートレーサーのあるべき姿でもあった。ボートレースにおいて個性は「技」であり「力」である。幼少期から中学生くらいまで義則とはよく遊んだが、当時からガンコな一面があった。私が騎手になり、彼がボートレーサーとしてデビューした後は会う機会は減ったが、艇界屈指のイン屋になった義則を見て、つくづく「個性」は大事だと感じた。

あれから四半世紀が経過し、あの時と同じまるがめSGの舞台に個性派レーサーが集まった。準優9Rでは3号艇・森高一真選手が何と1号艇・峰竜太選手からインを奪取。あの日の義則が乗り移ったようだった。結局、準優9Rは6号艇・馬場貴也選手が突き抜ける大波乱。やはりボートレースはこうでなきゃ、つまらない。

そんな中で私の目を奪ったのは、石野貴之選手だ。この波乱のレースでもきっちり2着に入り、ファイナル進出を決めた。とにかく今節はガンガン攻めている。2日目7R、6コースから展開を突いて、艇間の隙間を縫うように浮上して2着。そして後半12Rでは5コースのカドからスタートで攻め、絞りまくりで1着をもぎ取ったのだ。さらに4日目10Rも見逃せない。3コースからコンマ04のスタートを決め、またも絞りまくりに出た。結果的にまくり切れず3着に終わったが、この果敢な攻めに私の胸は躍った。

常識的には予選からオール3連対で、準優も逃げ切った平本真之選手が順当だろうが、私は攻めの姿勢を貫いてきた石野選手の「個性」に懸けたい。スタートをバッチリ決め、至極のまくり差しで12回目のSG制覇を成し遂げてくれるはずだ。

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