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【カーリング】SC軽井沢クラブ・上野美優 夢の五輪出場へ胸中告白「挑戦できる期間は今しかない」

東スポWEB 2024年9月3日 11時4分

ライバルの壁を崩せるか――。9月に入っても厳しい暑さが続く中、早くもカーリングの2024~25年シーズンがスタート。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据える上で、重要な1年となる。女子は五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレ(LS)に注目が集まるが、他チームからも目が離せない。昨季の日本選手権を制したSC軽井沢クラブのスキップ・上野美優(23)が、チームの現状や目標、自身の夢などをインタビューで明かした。

――カーリングを始めたきっかけは

上野 小学4年生の頃に習い事で、一緒にバレエをやっていた同級生で元チームメートの両川萌音選手ともう一人の子がカーリングをしていたので、同級生がカーリングをしているんだったら私もやってみようと思って、体験に行ったのがきっかけ。面白くて、沼にハマって、毎日ずっとカーリングをしている状態になりました(笑い)。

――今も楽しんでプレーをしている印象がある

上野 もともとは緊張しやすい性格で、3、4年くらい前にフォースとして最後に投げるようになった時は、プレッシャーにやられていた。メンタルが弱いので、試合中や練習の時でも自分の調子が上がらなくて苦しい時はたくさんある。でも、試合は答えが出せる場所なので、ある意味ご褒美だと思っている。せっかくなので、その状態を楽しまないともったいない。自分が楽しんで明るくプレーしている方が調子も上がるし、チームの調子も乗じて上がるのであれば、それはすごくいいことだなと思っています。

――ちなみに趣味は

上野 結構インドア派なので、ユーチューブやネットフリックスを見たりとか、漫画を読むのがすごい好き。アニメから入って漫画を買うこともあるし、アニメはバレーボールを題材とした「ハイキュー!!」が好き。私は箱推しで全員好きなので誰か1人にはなかなか決められないけど、やっぱり烏野高の日向翔陽や影山飛雄とか、その辺りは本当に好きですね。

――昨季は日本選手権で初優勝を果たした

上野 昨季はチームとして日本選手権の優勝を目標に掲げていたので、達成することができて本当によかった。国内に強い選手、強いライバルがたくさんいる中で、チーム全員、スタッフも含めて一丸となって、戦い切れたことがいい結果につながったのかな。反響はそこまで感じないけど、大会中に「頑張ってください」「応援しています」という声をいただけたので、応援してくださる方がいるんだなと身近に感じられてよかったです。

――世界選手権は3勝9敗で11位と悔しい結果に終わった

上野 セカンドの西室淳子選手以外は初出場で、なかなか慣れない部分やアリーナのアイスに対応できていなかった。トップのチームは初戦で対応しきれていなくても、徐々に上げていく力が高いなと身近で感じたし、経験の足りなさや自分たちの技術の足りなさも感じた。ツアーのランクを上げてグランドスラムなどの大きい大会に出るのも一つだが、それ以外に普段の練習でできることもしていきたい。ショットを動かしたり、投げている間のコミュニケーションだったり、そういった点はチームとして改善できるだろうと話しているので、練習で取り組んでいるところです。

――今季の日本選手権(来年2月、神奈川・横浜)はアリーナ開催だ

上野 アリーナでの試合は国内だとなかなか経験できない。昨季以上に激しい戦いになるとわかっているし、昨季の優勝チームなので、昨季とは違った思い、考え、環境、周りの応援のされ方も少しずつ変わってくると思う。その中で自分たちらしさをきちんと出せるように準備をしたいと思うし、プレッシャーをあまり感じることなく、自分たちらしく楽しくプレーすることが自分たちの最大限のプレーを出せると昨季の日本選手権でわかったので、それができるように準備したいです。

――自分たちらしさとは

上野 日本選手権のような大きい大会でプレーできることの楽しさなどを感じながらプレーをすること。あとは私たちは粘り強いチームなので、昨季の日本選手権前のカナダ遠征時のツアーの大会も、基本的には周りのシートで試合が終わっていても、私たちはずっと試合をし続けて、最後まで粘って粘るチームだった。今季も粘り強くかつ楽しく、見ているみなさんも「カーリング、楽しいよな」とか、見ていない方も「カーリングってこんなに面白いの?」と思っていただけるように、明るく楽しくプレーすることが自分たちらしさです。

――2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据える上で、今季の戦いは重要になる

上野 小さい頃から五輪に出場したいという思いがあった。五輪に懸ける思いはそれぞれ違うところもあると思うが、私の五輪に懸ける思いを大事にしつつ、ミラノ五輪に向けて挑戦できる期間は今しかないので、今を大事にして頑張りたい。五輪を見るのが好きで、真剣に何かと向き合いながらプレーをしている選手や、競技は違ってもメダルを獲得して感動している選手、取れなくて悔しくても次に向かっている選手を見るとかっこいいと思う。私もその舞台に立てたらなと思うし、五輪に出ないとわからない気持ちや経験できないものもあるので、五輪に行きたいです。

――今季はどんなシーズンにしたい

上野 昨季の世界選手権はなかなか自分たちの思うようなプレーができなかった。日本選手権で2連覇してもう一度世界選手権に行って、自分たちらしいプレーをして、悔いのないようにもっともっといい形でプレーしたい。まずはPCCC(パンコンチネンタル選手権)が10月末から11月頭にあるので、世界選手権で得た課題をどこまで克服できているのか、自分たちがどのくらいいいパフォーマンスができるのかを意識しつつ、リラックスしながらプレーしたいです。(インタビュー・中西崇太)

☆うえの・みゆ 2001年3月12日生まれ。長野県出身。小学校の同級生の影響で4年時にカーリングを始め、ジュニア時代から国内外の大会で活躍。22年世界ジュニア選手権で日本勢初の世界一に輝いた。SC軽井沢クラブではスキップとして活動。24年日本選手権ではチームを初優勝に導き、自身もMVPに選出された。リード・上野結生は妹。大学時代は日本女子大で日本文学科を専攻し「御伽草子」の短編物語「雨やどり」を卒業論文のテーマにした。162センチ。

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