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井上尚弥〝ドヘニー腰砕け〟で勝利 不調は否定…父・真吾氏が計量に同席しなかった理由も説明

東スポWEB 2024年9月4日 0時54分

ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一戦が3日、東京・有明アリーナで行われ、4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)がWBO同級2位TJ・ドヘニー(37=アイルランド)を7回TKOで破り、統一王座2度目の防衛に成功。前日計量に不在だったが、この日は元気にセコンドを務めた父でトレーナーの真吾氏のアシストを受け、相手が腰を痛めて棄権するという珍事ながら全勝を守った。

海外大手ブックメーカーは、井上勝利に1・02倍のオッズを付けるという楽勝ムードが漂った一戦。前日計量後に大幅増量することで知られるドヘニーの当日体重が気がかりだったが、この日は66・1キロと11キロ増量。前日55・3キロ)キロだった井上は62・7キロだった。

戦いは遠くから伸びる重いパンチを警戒する井上と、決定力を警戒するドヘニーが互いに慎重姿勢で静かな展開が続いた。だが、6回に入ると相手の動きに慣れた井上の次々とパンチをヒット。終盤には連打を浴びせ、仕留める時が近づいたかと思われた。しかし、続く7回、井上が再び連打を浴びせると、ドヘニーは腰に手を当てて棄権をアピール。文字通りの腰砕けで勝負が決まった。

井上は「少なからずダメージの蓄積はあったと思う。みなさんが期待していた試合内容ではなかったですが、長く試合をしていれば、こういう試合もある」と不完全燃焼の結果を振り返り「理想としていた結果ではなかった」と不満も口にした。

危なげない勝利だったが、若干の不安を感じさせる出来事もあった。前日計量時には、井上と〝一心同体〟の真吾氏が不在で、井上は報道陣にマスク着用を要請。何かに感染した可能性も危惧され、井上が全幅の信頼を置く真吾氏が不在となれば、試合に大きな影響が出ることも考えられた。

さらに、井上は慎重な戦いぶりだったこともあってか、試合後の会見では不調を疑う質問を受けた。だが、井上は「調子は良かったです」ときっぱり否定。真吾氏は計量欠席の理由を、自身と同じ場所で寝ていた井上の娘が発熱したたため「一応、用心した」と明かした。

また、井上は自身にしては大きな増量幅だったことについては「意図的に増やした。スキルが落ちない程度にリカバリーできるか試してみた」と説明しながらも「若干重たいと感じましたね」と苦笑。将来的なフェザー級転向も期待されることには「ここからしっかり体をつくって、視野に入れることはできると思う」と話すにとどめた。

この先、モンスターはどこへ進むのか。井上と契約する米国の大手プロモーター、トップランク社のボブ・アラムCEOは試合後のリング上で、先日に語っていた年内に東京でもう1試合、来年に米国ラスベガスでビッグマッチを行う計画を改めて明言した。今度はモンスターらしい豪快なKOを見せてくれるだろうか。

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