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根絶マングース以外にも… アメリカザリガニ、ウシガエル、アライグマ「アテが外れた外来種」

東スポWEB 2024年9月4日 6時9分

環境省は3日、鹿児島・奄美大島における特定外来生物フイリマングースの根絶を宣言した。世界自然遺産の奄美大島で、アマミノクロウサギやケナガネズミといった在来の希少種を食べるなど、生態系に害を及ぼすとして駆除を進めてきた。

環境省は「奄美大島ほど広い島での長期間定着したマングースの根絶は、生物多様性保全上の重要な世界初の成果です」としている。2018年4月を最後に捕獲数がゼロとなっていることなどから、奄美市で開いた有識者による検討会が同日午前「根絶した確率が極めて高い」と評価した。

マングースはハブ対策として1979年、奄美大島に約30匹が放たれたとみられる。だがハブは夜行性で、日中に行動するマングースは天敵にはならなかった。2000年には約1万匹前後に急増。マングースの分布拡大と呼応するように在来種の分布域が縮小していることが明らかになり、環境省などが防除体制を強化していた。

もともとはハブ対策のための益獣となるはずだったが、あてが外れた形だ。このような例はほかにもある。

米国原産のアメリカザリガニは1927年、ウシガエルのエサ用に鎌倉食用蛙養殖場に20匹持ち込まれ、それが日本中に広まった。ところが池の水草を切ってしまうため、隠れていた小魚や両生類、昆虫が捕食されやすくなり、生態系に悪影響が生じてしまった。そこで2023年6月に条件付特定外来生物に指定。一般家庭でペットとして飼うこと等は可能だが、野外に放すこと等は禁止されている。

そもそもウシガエルも1918年ごろ、食用として米国から17匹輸入されたものが広がったもの。希少な在来種を捕食し、トノサマバッタやダルマガエルを追いやることが問題になっている。特定外来生物の位置付けで、輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止といった厳しい規制がかかる。

見た目はかわいいが、凶暴なアライグマも特定外来生物だ。アニメ「あらいぐまラスカル」(1977年)の放送をきっかけにペットとして飼う人が増えたが、攻撃的で気性が荒く、飼い切れずに遺棄することで広まった。

数々の外来種の生物が人間の都合で日本に持ち込まれ、人間の都合で悪者にさせられている。

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