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【西武】〝迷走右腕〟高橋光成 開幕から白星なしでも「今オフのMLB移籍を模索」の深層

東スポWEB 2024年9月4日 6時10分

またしても同じ光景が繰り返された。西武は3日のオリックス戦(ほっともっと神戸)で2―3と逆転負け。1972年の前身・西鉄時代(当時130試合制)以来、52年ぶりとなるシーズン80敗(38勝2分け)を喫した。一方で先発マウンドに立った高橋光成投手(27)は、この日も結果が伴わず開幕から白星なしの11敗目。チーム同様に黒星地獄にはまり込む〝迷走右腕〟は、それでも今オフのMLB移籍を諦めていないという。その深層とは――。

相変わらず〝出口〟が見えない。先発した高橋は6回2/3を8安打3失点とクオリティースタート(6回以上3失点以内)の内容で何とかまとめた。とはいえこの日もリズムが悪く、点の取られ方も極めてまずかった。

1点リードの4回に西川の逆転7号2ランを浴びたものの、すぐさま味方が5回に同点に追いついた。ところが6回にも紅林に勝ち越し適時打を許すなど要所で痛打を浴び、流れを呼び込めなかった。終わってみれば開幕から14試合未勝利のまま11連敗、防御率4・13となった。

開幕から0勝11敗は1960年の大津守(近鉄)以来、64年ぶり4人目となるパ・リーグタイのワースト記録。プロ野球記録は56年、権藤正利(大洋)の13連敗となっている。

開幕前には「30試合、200投球回、160キロ」を目標に掲げていたエースだが、プロ10年目の今季はキャリアハイどころかいまだ暗闇の中をさまよっている。

しかし、それでもポスティングシステムによる米大リーグ挑戦を熱望する高橋の「夢」は失われていないようだ。実際に海の向こうの米国では高橋側と契約予定のエージェントが水面下で〝Xデー〟をにらみながら、動き続けているという。今オフのMLB移籍を模索しているともっぱらのロッテ・佐々木朗希投手(22)が話題の中心となっている中、高橋も各球団スカウトの調査対象から外れていない。

ある東海岸のMLB関係者は「春先の故障や成績の影響もあって正直、彼の評価は大きく低下している。それでも代理人が可能性を模索しているというのは、来年2月で28歳を迎える年齢的な問題もあるのでしょう。ここからの1年は年を取るごとに評価は下がっていく。立て直しのために時間を使うよりも1年でも早く行きたいという思惑があるのでは」と高橋側の動きを推察する。

仮に高橋が今オフに球団の了承を得てポスティング移籍を強行した場合、現状ではスプリット契約(メジャーとマイナーの二重契約)のキャンプ招待選手が妥当な線だ。だが、その代理人の手腕次第では昨オフにアスレチックスと年俸325万ドル(当時のレートで約4億3900万円)プラス出来高100万ドル(同約1億2800万円)の単年契約を結んだ藤浪晋太郎投手(30=現メッツ傘下)のようなメジャー契約が取れる可能性もある。

幸か不幸か、今季のMLBでは西武を超える31勝108敗(2日=日本時間3日時点)という悲惨な成績に沈むホワイトソックスが歴史的低迷にあえいでいる。チーム打率2割1分9厘(MLB全体29位)の貧打に加え、チーム防御率4・89(同29位)とNPBの西武同様に壊滅的な状態だ。投手力整備を含めたチームの大改革が急務なことから「代理人の人脈次第では高橋にも移籍のチャンスが出てくるかもしれない」(前出関係者)とささやかれている。

低迷するライオンズの〝象徴〟がメジャーで大低迷するシカゴに移籍というのは痛烈な皮肉だが、何はともあれ高橋のオフの去就が早々とザワついてきた。

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