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【虎に翼】ドラマに漂う「ナベサダ」の空気 「カムカム」でも実名で登場

東スポWEB 2024年9月9日 12時42分

9日のNHK連続テレビ小説「虎に翼」は、時代が約5年飛んで昭和44(1969)年1月に進み、ヒロイン寅子(伊藤沙莉)のおいである直治(今井悠貴)がサックス奏者としてひとり立ちしていた。

昭和38年12月の原爆裁判判決から5年あまり過ぎた正月。寅子が暮らす星家を実家の猪爪一族が訪れ、食卓に並ぶ料理を前に直治がサックス演奏を披露する。ナレーションで「サックス奏者として全国を飛び回っているようです」。母親の花江(森田望智)は「サックス1本でご飯食べてるんだから、大したものよね」と感心していた。

直治については、判事の寅子が新潟赴任から東京に戻った昭和30年当時、高3と紹介された。昭和12=1937年生まれとみられる。この世代でサックスといえば、33年生まれの「世界のナベサダ」こと渡辺貞夫の名が浮かぶ。X(旧ツイッター)でも「直治がナベサダみたいになっとる」との反応や、劇中の曲はチャーリー・パーカーのものではと指摘した上で「渡辺貞夫が吹いたこの曲でJAZZにはまった」と告白する投稿も見られた。

直治が正月に吹いた69年、すでに米留学から帰国していた渡辺は東京の渋谷公会堂(現LINE CUBE SHIBUYA)と日比谷公会堂でのニューイヤーコンサートに参加している。同年は「日本ジャズの録音がメジャーレコード会社で活発化」したという。残る3週間の放送で、直治にレコーディングやメジャーデビュー、渡辺との〝接点〟が出てくるのか注目されるところだ。

渡辺は2021年度後期の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」には、実名と作品が登場している。2代目ヒロイン(深津絵里)の夫・錠一郎(オダギリジョー)とジャズの関わりが描かれ、行きつけのレコード店が何度か登場。61年のデビューアルバム「渡辺貞夫」が品ぞろえにあり、店の表にはポップが貼られていた。本人はドラマのサウンドトラックに参加しており、デビューアルバムについては「時代背景作りにも役立っているようです」と自身のSNSに記している。

5月に発売された月刊文芸春秋に「91歳、今が一番楽しんでる」との文章を寄せた渡辺。「虎に翼」では、見えないながら存在感を漂わせている。

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