オリックスのＴ―岡田外野手（３６）が１０日、京セラドームで引退記者会見に臨み、１９年間の現役生活を「幸せだった」と振り返った。スーツ姿ですっきりした表情を見せ「納得してユニホームを脱ぐことができる。結果を出すためにやれることは全部やってきた。結果の世界なんで結果が出なかったらやめるしかない。それだけです。応援してくれてる人からしたら物足りないかもしれないけど、ところどころでいい１本が打てたりした。みなさんの記憶に残してもらえたら幸せな野球人生だったな、と思う」と優しい声で話した。
昨年、福良ＧＭに「もう１年やらせてください」とお願いしたが、状態は上がらず、今季出場は３試合にとどまった。「残りの野球人生が少ないと思っていたので一日一日を悔いなく、野球のこと考えた」。家族にねぎわれ、Ｔ―岡田の名付け親の阪神・岡田監督にも電話で報告。「よう頑張ったな」と言われ「監督されている時はそんなにはしゃべったことなかった。そう言ってもらえるだけで報われたかな」と笑顔を見せた。
涙はなし。低迷期もチームの「顔役」として支え、１９年間で２０４本塁打を放った長距離砲は「最高のチームで最高の仲間の集まりだった」と感謝の言葉を並べ、今後については「ゆっくり休んで考えたい。お世話になったんでどういう形になるか分からないけど、力になりたい。まだまだ僕も人として成長していきたい」と恩返ししたい考えだという。