ＷＷＥマットを席巻する怪奇派集団「ワイアット・シックス」の〝謎の女性〟ニッキー・クロスが、驚異の実力を見せつけた。
昨年８月に３６歳の若さで死去した元ＷＷＥ王者ブレイ・ワイアットさんの遺志を継ぎ、実弟の「アンクル・ハウディー」ことボー・ダラス、エリック・ローワン、ニッキー、デクスター・ルミス、ジョー・ゲイシーの５人組が奇怪な仮面をつけて集結。圧巻のファイトで、ここまでローワン＆ルミス＆ゲイシーが６人タッグ戦で、ハウディーは〝パワハラ男〟チャド・ゲイブルとのシングル戦で圧勝した。
９日（日本時間１０日）のロウ（カナダ・カルガリー）では、ローワン＆ルミス＆ゲイシー＆ニッキーが、ゲイブル＆クリード兄弟（ジュリアス＆ブルータス）＆アイビー・ナイルの「アメリカン・メイド」と、８人タッグ・ストリートマッチで激突。ニッキーは怪奇派軍団入り後、これが初試合だ。
ニッキーはいきなりアイビーに襲いかかり、場外でインプラントＤＤＴ。さらにスチール缶をかぶせ、竹刀で殴りまくった。観衆からは大歓声が上がり、スチール缶ごとドロップキックを叩き込んだ。ゲイブル軍は竹刀や消火器を武器に反撃。ローワンをテーブル葬に処して、観衆の「クソヤロー！」チャントを浴びた。
ワイアット軍はゲイシーがダブルラリアートでクリード兄弟に叩き込むが、スチール缶をかぶせられ、ゲイブル軍から竹刀のめった打ちをくらった。流れを変えたのはニッキーだ。場外でアイビーに竹刀をくらわせ、実況席上でクロスボディーを見舞った。これを合図にローワンが復活し、場外バリケードを破壊してゲイブル軍を一蹴する。
試合は「これぞ名勝負！」チャントが飛び出すド迫力の大激闘に。ゲイシーはゲイブルのアンクルロックに捕獲されたところにアイビーから竹刀を打ち込まれるが、この大ピンチを救ったのもニッキーだった。
場外からアイビーを引きずり下ろすと、リングに入って何とゲイブルに投げっ放しジャーマンだ。五輪レスリング米国代表を見事に投げ切り、会場は「ホーリー・シット！（超スゲー！）」一色。続けて場外のニッキーはスイング式ネックブリーカーでイスに叩きつけ、アイビーをＫＯしてみせた。
怒とうの展開の中、ローワンは鉄階段へゲイブルをアイアンクロースラム。ここでハウディーがリングインして、ジュリアスに強烈なシスター・アビゲイルだ。最後はルミスがローワンのアシストを受けてゲイブルにフロッグスプラッシュをぶちかまし、３カウントを奪った。
またしても、ゲイブルを制裁したワイアット軍は、５人で凱歌を上げた。圧勝に次ぐ圧勝の上、実力が〝謎〟だったニッキーも驚異的な破壊力を披露。ＷＷＥユニバース（ファン）の熱狂的な支持も得た「ワイアット・シックス」の勢いは止まらない。
この日のロウは「ＡＢＥＭＡ」にて放送された。