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ライガーが明かす〝虎ハンター〟の素顔「デビュー戦は小林邦昭さん以外考えられなかった」

東スポWEB 2024年9月11日 11時7分

初代タイガーマスクのライバルとして〝虎ハンター〟の異名を取った名レスラーの小林邦昭さんが、9日に死去した。68歳だった。新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーが語る「獣神激論」では、特別な先輩だった小林さんとの思い出を振り返る。自身のデビュー戦、そして小林さんの引退試合でもシングルマッチを戦ったライガーが明かす素顔とは――。

【ライガーが語る獣神激論(特別編)】小林さんがお亡くなりになりました。実は1か月くらい前に、娘さんから「あまり体調が良くない」と聞いていたんです。でも小林さんはこれまで2度も3度も(がんを)克服されてますから。「小林さんは大丈夫ですよ!」と娘さんを励ましながら、自分にもそう言い聞かせていたんですけど…急転直下の知らせだったのでビックリしてますね。

僕が新日本に入ったばかりのころ、夜に道場でウエートトレーニングをやっているとよく小林さんが来られて。「何年かしたらお前と試合することになるかもな」「恐れ多いです」みたいな会話をさせていただいてたんです。本当にいつも優しく接してくれて、小林さんの方から「またやってるのか、お前は練習好きだな」とよく声をかけていただきました。

若手時代もよく試合をさせていただいて、一番成長を認めてほしい、見てもらいたい存在が小林さんでした。だからライガー一発目の試合(1989年4月24日、東京ドーム)の相手は、小林さん以外に考えられなかったですね。初代タイガーマスクの佐山(聡)さんとジュニアの歴史を築いてこられた方で、僕のことを入ったころから見てくれていて…いろいろな思いもあったので、試合後は指名させてもらって本当に良かったなって思いました。

小林さんの引退試合(2000年4月21日、後楽園)の時は、やはりがんの手術もされた後だし、試合をしていて呼吸とかが苦しそうだなっていうのは見て取れました。でも僕にとってはずっと「虎ハンター」小林邦昭なので。手を抜くことなくやらせていただきましたし、小林さんにも応えていただきました。

もちろん僕のレスラー人生の中でも大切な一人ですけど、新日本ジュニアに絶対欠かせない方でしょう。藤波(辰爾)さんが扉を開けて、佐山さんがジュニアを築いて、その中でも一番重要な役割をしてたのが小林さんだったんじゃないかと思うんです。

今だから言うけど「虎ハンター」というのはリングの上の話で、リングを下りると優しい人だった。全然先輩ぶることなく頭が下がる思いですよね。僕も先輩としてのあり方をいろいろと勉強させていただいてました。

68歳…早いね。小林さんは優しい人だから、天国から娘さん2人のことを見守ってるだろうし、僕がまた東京に行って道場に行ったら「オウ、来たか」みたいな感じで思ってくれるんじゃないかな。小林さんの姿かたちは見えなくなっても、みんなの心の中に生きてると思うんでね。そんなに僕は寂しく感じてないんだよ。これからも道場を見守っていてくださいって。本当にそう思いますね。

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