カブスの今永昇太投手(31)が10日(日本時間11日)の敵地ロサンゼルスでのドジャース戦に先発し、7回まで89球を投げ、7安打3失点で13勝目(3敗)をマークした。
この日が復帰登板となった山本と日米を通じて初めての投げ合い。2回と4回に〝伏兵〟のエドマンに今季1号、2号ソロを許し、1点ビハインドの5回にはマンシーに2ボールから投じた92・5マイル(約148・9キロ)の直球が甘く入り、右翼席に放り込まれた。
それでも初回は大谷、ベッツ、フリーマンの〝MVPトリオ〟をわずか4球で打ち取るなど少ない球数で長いイニングを投げ、先発としての役割を十分に果たした。
7回を投げ切った段階では2点のビハインドで、そのまま試合が終われば敗戦投手となっていた。だが、左腕の踏ん張りに応えるように味方打線が8回に奮起した。同僚・鈴木の中前適時打で1点差に詰め寄ると、2発を食らったエドマンの送球が乱れた間に同点。さらに相手のミスも重なり一挙5点を挙げて敗戦投手から一転、勝利投手の権利が転がり込んだ。
自身4連勝となった今永は「自分につく勝利は全く気にしない。チームが勝てたので本当にうれしいですね」とフォア・ザ・チームの精神を強調。ただ〝哲学者〟らしく反省も忘れない。
「同じ選手にホームランを2本打たれてしまって。そしてまたマンシー選手のホームランっていうのは正直、何の根拠もない真っすぐだったので、そこがすごく自分の情けなさですね」
こうした反省の積み重ねがメジャーでの快進撃を支える要因になっていることは間違いない。史上初の50本塁打―50盗塁に突き進む大谷とは3度対戦して遊飛、一併殺、右飛で抑えた。それでも「勝負の世界っていうのは紙一重なので。あれ(3打席目の飛球)がホームランなのか、アウトなのかというのはその時の運なので。今日は少しだけ運が味方してくれました」と冷静だ。
山本との投げ合いにも感謝した。「正直、試合前あまり調子が良くなかったんですけども、今日の山本投手のピッチングを見て、このままじゃチームがすごく劣勢に追い込まれるなと思ったので。3失点しましたけど、彼の投球が僕を引っ張ってくれました」
日本の4選手がそろい踏みした一戦で大谷だけいいところがなかったが、今永は「これが日本ではなくて、アメリカの地で対戦するということにすごく意味があるので。日本からたくさん出張してくださった皆さん、本当にありがとうございました」とらしいフレーズで意義とファンへの感謝を伝えた。
ナ・リーグ中地区2位のチームをまだまだけん引していきそうだ。