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きょう告示の自民党総裁選を5人の識者が大予想! 進次郎氏は本当に本命か 石破氏、高市氏の巻き返しは…

東スポWEB 2024年9月12日 12時47分

12日告示の自民党総裁選(27日投開票)は過去最多となる9人による争いで、15日間の舌戦の火ぶたが切られた。元国務大臣で新党大地代表の鈴木宗男参院議員、本紙で政界ドキュメント執筆中の作家・大下英治氏、与野党を現場で徹底取材のジャーナリスト・小川匡則氏、全国の選挙現場をウオッチしている吉本興業所属の芸人「ゆかいな議事録」の山本期日前、永田町の裏の裏まで知り尽くす自民党のミスターXの5人が大予想。鉄板とされる小泉進次郎元環境相を巡って、見方が大きく分かれた。

鈴木宗男参院議員

勢いから見ると小泉氏が鉄板に近い本命だ。改革に対する話は分かりやすく、インパクトがあった。メディアの世論調査などでもそれが表れている。もう先頭のまま第4コーナーの最後のホームストレッチに向かうところでしょう。

総裁選は告示から5日目ぐらいまでに一通りの会見や討論会が行われるので、前半戦が勝負になる。フライングしたり、エラーで失速する人も出てくる。投票する議員や党員の世代間で差があり、キャリア重視やバランスなどいろいろあるが、やはり最後は言葉の力が問われる。小泉氏はその点においても大丈夫じゃないかという印象だ。

茂木氏は経済、政治倫理、外交を含めて非常に重厚だ。加藤氏も財政全般から社会保障等、やはり自分が歩んできた道を踏まえて、説得力のある内容だった。

まだ49歳と若い小林氏への期待感も高い。自民党の総裁選は終われば、ノーサイドで終わり、民主党みたいにバラバラにならない。小泉氏が茂木氏や加藤氏らときちっとスクラムを組めば、国民も安心感を持てるのではないか。

作家・大下英治氏

小泉氏が大本命の◎で、〇に石破氏、▲で高市氏の順になるが、波乱含みだ。小泉氏―石破氏の決選投票の場合、石破氏を幹事長に据えようと動いていた岸田首相は石破氏びいきの可能性がある。小泉氏の議員票が大きく伸びずに結束が強い岸田派が石破氏支持に回れば、逆転の余地はある。

高市氏が2位に食い込んだ場合も小泉氏を食う可能性はある。カギは麻生副総裁だ。手駒の河野太郎氏や麻生派の甘利明氏が支援している小林鷹之氏も決選投票に進めない。小泉氏を推す菅義偉前首相だけには負けたくないだけに安倍派とともに高市氏支援につけば、逆転は大いにあり得る。高市陣営に前回総裁選の番頭だった古屋圭司氏が戻って、麻生氏とも通じる寝業ができる。

ジャーナリスト・小川匡則氏

乱立する総裁選にあって、「最後の挑戦」として5度目の総裁選を戦う石破氏は覚悟が違う。これまで以上の迫力で勢いが出ており、党員票で稼いで2位以上を確保する。懸案だった政策面でも政策通の平将明氏が参加したことで安心感が出た。

最初の投票で1位になる可能性が高い小泉氏は中堅以上の議員の支持が弱い。予算委員会での審議に耐えられるのかといった懸念も払拭しがたく、決選投票では来年改選を控える参院議員は安定感のある石破氏に流れるのではないか。

また、一気に世代交代してしまうことへの抵抗から中堅以上の議員では石破氏の方が票を集めると予想。総裁選期間中の候補者討論で失速するリスクもあり、綱渡りの戦いが続く。ダークホースは高市氏。想定以上に党員票を集め、保守系議員票を固めることができれば決選投票に進むチャンスも出てくる。他はどう考えても厳しい。国民人気を考慮せずに選ぶのであれば加藤氏、林氏は有力な存在だが、選挙を無視して考えることはできない。

芸人・山本期日前

小泉新総裁の最有力説だが、討論会やネット空間で他陣営から集中砲火を浴び、漫画「キングダム」の祭での象姉のような構図になって、失速するのではないか。

一方で、高市氏の支持者は熱量が高く、確実に投票するため、党員票が予想以上に伸びて、2位に食い込む展開を予想。また高市氏の政策がマニアック過ぎて焦点にならず、解雇規制緩和等で攻めている小泉氏に比べ、失点もしなさそう。小泉氏や石破氏との決選投票で、勝利を収めるのではないか。

ただ、石破氏も捨てがたい。立憲民主党の代表選で、野田元首相が勝利しそうで、総裁選は4日後に投票日を迎える。来たる総選挙を見据えて、石破氏を新総裁にして、2倍速で聞いても話がゆっくり過ぎる討論会対決にして、野田元首相の重厚感を無効化するのもアリだ。

高市氏、石破氏、小泉氏の全員が失速し、急きょ、安定感を求めるレース展開になった際には、これまでも不祥事の後に途中登板を得意とする林氏が大穴。林新総裁が誕生したら、首相官邸のエレベーターに閉じ込められた30分で、新総裁のお告げあった系の都市伝説が生まれそう。

自民党・ミスターX

党内のリアルな雰囲気は、このまま小泉氏を顔で選んでいいのかという話。解雇規制の見直しも本当に分かって話しているのか。米国流のやり方を押し付けると“日本版トランプ”や“トランプ坊や”になってしまうだけ。

他も林氏はマイナンバーで耳障りのいい話をし出したし、茂木氏は「増税ゼロ」を掲げた。官房長官と幹事長だったんだからその時にやってくれという話。河野氏は「全国民に確定申告」と言い出し、いきなり“逆走”してしまったようなもの。デジタルやマイナンバーを進めたい理屈だとそうなるが、現場は無理ですよ。

それでも決選投票には国民人気が高い小泉氏と石破氏となってしまいそうだが、意外と地方はギャンブル的要素や能力に疑問符がつく小泉氏ではなく、安定路線の石破氏に票が流れるのではないか。その党員に支えられる議員票も乗ってくれば、小泉氏鉄板の流れでは決してない。また小林氏もここにきて、知名度をグングンと上げている。カンペに頼る他の候補者と違い、自分の言葉でしゃべるし、政策もぶれていない。“コバホーク”の愛称が浸透しているのもその証拠で、長丁場となる総裁選で、上位が崩れるようなことがあれば、大波乱があるかもしれない。

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