西武・岡田雅利捕手(35)が14日のロッテ戦(ベルーナ)に「2番・捕手」でスタメン出場。引退試合となったこの試合の初回、現役最終打席で有終の左翼線二塁打を放った。
家族や登録抹消中の高橋光成、渡辺勇太朗らもスタンドから見守る中、岡田はまず先発・羽田をリードし初回を1失点で終えた。
その裏、一死走者なしで現役最終打席を迎えた背番号2はレフトスタンドの大歓声にヘルメットを取って一礼しながら打席に入った。
「たぶん泣いちゃうと思います」の予告通り、涙で目を真っ赤にしながら打席に立った岡田は、カウント0ー2からロッテ先発・小島の148キロを叩き、打球は三塁線を破る左翼線二塁打となった。左ひざの相次ぐ故障のため、これが3年ぶりの安打となった。
さらに野村大の打席では右飛で三塁へタッチアップ。3度メスを入れた左足の痛みを耐える激走とヘッドスライディングでチャンスを拡大した。
泥だらけのユニホームで立ち上がるとスタンドからさらに大歓声。ガッツと常にチームのためを最優先した人柄の表れた走塁でファンの喝采を浴びた。
その後、再びマスクを被ると2回の守備にも就き、7球の投球練習を受けてから二塁への送球を投げたところで柘植に交代が告げられた。
このベンチの演出にベルーナドームは温かい歓声と拍手に包まれ、岡田はマスクを外すと、涙を流しながらスタンドに向かって何度も頭を下げ、ファンに別れを告げた。
「ここまでプレーできたことをまずはプレーで恩返しできるように」と語っていたバイプレーヤーが、最後の最後まで誠実な全力プレーで11年間の現役生活に幕を降ろした。