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ジャイアント馬場〝受け身は超一流、ケンカも強かった〟ハーリー・レイスを撃破 79年10月NWA世界戦

東スポWEB 2024年9月15日 10時3分

【昭和~平成スター列伝】“世界の16文”ジャイアント馬場さん夫人の元子さんの言葉をまとめた「馬場さんの話、もっと聞かせてください」(ジョイフルタウン刊)が先日、発売され、人気映画シリーズ「007」から出演オファーがあった裏話が披露されている(8月29日付本紙)。

オファーがあった1977年、馬場はまだ全盛時にあった。2年後の79年10月31日名古屋では、NWA世界ヘビー級王者ハーリー・レイスを撃破して2度目の戴冠に成功している。74年12月2日鹿児島でジャック・ブリスコを破り、日本人として初めてNWA王者となってから実に約5年を要した。本紙は王座戦の詳細を報じている。

「15分過ぎ、レイスがこの日、2度目のブレーンバスター。馬場の裂けた額へダイビング頭突き。馬場は場外へ吹っ飛ぶ。レイスは馬場を抱えて鉄柱へ。しかし馬場は体を入れ替え、レイスは鉄柱に頭をしたたか打ちつけ額から血が流れ落ちる。馬場の猛攻が始まった。両腕でのチョップが胸に当たる。レイスは焦りに焦っている。早く勝負をつけなければとコーナーポスト上段へ。飛ぼうとした瞬間、馬場が走った。ポスト最上段のレイスを209センチの高角度から殺人投げ。リング中央でノビるレイス。今がチャンスだ。馬場がコーナーに走った。出た!(昭和)49年にブリスコから王座を奪った必殺のフライングネックブリーカードロップだ。王者は動けずカウント3。18分29秒、馬場が4年10か月ぶりにNWA王座を奪還した」(抜粋)

馬場は11月5日串間でのリマッチで勝利し、初防衛を果たすも、同7日尼崎でレイスに敗れて7日天下に終わってしまう。しかしレイスは通算7度のNWA王座戴冠を果たした名王者であり、2度のNWA王座奪取は快挙であった。

和田京平名誉レフェリーは「受け身は超一流でケンカも強い。馬場さんに『今まで一番受け身がうまかった選手は?』と聞くと、真っ先にレイスの名前が出てきた。見せるための筋肉は彼に必要なかった。ダイビングヘッドバットだって飛ばなくていい。あのゴツい体でコーナーに上がって前に倒れればよかった。自分のダメージも相当だったと思うけど、説得力と威力は抜群だった。馬場さんとの信頼関係も固かった。だからこそレイスからベルトを取った時は喜びもひとしおだったろうね」と述懐する。

馬場は80年9月4日佐賀でもレイスに挑戦。日本人としては前人未到の3度のNWA王座奪取に成功している。 (敬称略)

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