プロ1年目にトミー・ジョン手術を受け、育成落ちを経験した苦労人が〝師匠〟の指導で大変貌を遂げようとしている。昨オフにソフトバンクOBの千賀滉大投手(31=メッツ)からアドバイスを受け、大幅なフォーム改造に踏み切ったのが2021年ドラフト5位で入団した大竹風雅投手(25)だ。度重なるケガを乗り越え、3年目右腕は支配下登録に向け、どのような思いで野球に取り組んでいるのか。現在の胸中や、今後の展望などを直撃した。
──3月にケガ(右肩の肩甲下筋の肉離れ)があったが、最近は復帰して試合で投げる機会も増えてきた。今の状態は
大竹 状態としてはいい方だとは思うが、一番はケガ明けなので、再発しないようにというところで出力を出しながらしっかりケアをする感じです。
──ケガの影響、不安は
大竹 今のところ全然問題ないです。
──3年目の今季、シーズン前に自分が思い描いていたものは
大竹 キャンプで調子が良くて、このままいったら、もしかしたらっていう気持ちはあったけど、ケガをしてしまった。支配下の期限は切れてしまったけど、来年につながるような投球をこれからしていければ。
──自主トレでは千賀に師事。その経緯は
大竹 千賀さんがホークスの若手に募集をかけてくださって、投手コーチが、僕と田上を紹介してくれた。本当にありがたい機会だなと思って行かせてもらいました。
──そこでフォーム改造に着手したが、今の手応えは
大竹 しっくりきてます。実力もある人なので、何にしても勉強になることが多かった。影響は大きいです。
──メンタル的な話もするのか
大竹 常にプラス思考っていうのは千賀さんが言っていたので、そういう面は見習っていかないといけないなと。近い目標じゃなくて大きい目標で頑張りたい。
──大学の同期である三浦瑞樹投手は今夏、支配下となった
大竹 支配下になれないことは悔しいなと思ったけど、それを思ったところで何も変わらない。自分のやることをやるだけかなと。
──今、コーチとはどんな課題に取り組んでいるのか
大竹 ゾーンで勝負することだったりとか、球の高さとか、変化球でストライクを取ることとかっていうのを話しています。
──福島出身で福岡の生活はもう慣れた
大竹 そうですね。元々出身が田舎だったので、都会はまだちょっと慣れない感じはするけど。筑後が田舎なので、そこでリラックスしてます(笑い)。
──一人暮らしで食事面は
大竹 自炊はしてますね。ただほとんど同じメニューなので楽です。ご飯の上にめかぶ、納豆、キムチに、そこに脂質をなるべく少なくゆでたささみを。つまらない食事です(笑い)。何かいいレシピがあれば、試したいなと思います。
──大きな目標とは
大竹 今は中継ぎで投げているけど、いずれは先発したいなと思っている。ローテーションに入って10勝、それが一応今の段階での目標です。
──今季残りのシーズンどう過ごしていく
大竹 一試合一試合、全力で。抑えることは当たり前なんですけど、自分の結果だけではなく、チームの結果にもこだわってやっていきたい。勝つためにやっているので、自分の結果よりも一番はチームの勝利を優先したい。
☆おおたけ・ふうが 1999年8月22日生まれ、福島県白河市出身。右投げ左打ち、投手。背番号136。身長186センチ、体重88キロ。福島・光南高では投手と内野手を兼任。東北福祉大の3年時に右ヒジのクリーニング手術を行い、大学4年間の登板は2試合のみながら、素質を評され21年ドラフト5位でソフトバンクに入団。1年目の4月にトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成契約となった。16日現在、ファーム非公式戦で12試合に登板し、0勝0敗1セーブ、15回2/3を8安打5失点、防御率1・15。